ガイドヘルパーの転職は難しい?求人状況や今後の展望など 作成日:2017.08.21
最終更新日:2019.10.31
皆さんは、ガイドヘルパーという職業をご存知でしょうか?
ガイドヘルパーとは、身体に障害を持った方の外出を支援する従事者のことを言います。別名「移動介護従事者」と呼ばれています。
この資格は障害者総合支援法で定められた資格です。この資格を取ろうか考えているけど、転職って実際どうなのかという不安がある方も多いですよね。今回はガイドヘルパーの転職について解説していきます。
ガイドヘルパー(移動介護従事者)ってどんな職業?
ガイドヘルパーの仕事は多種多様です。週に一回の通院に同行してほしい、美容院に行きたい、日課である散歩に付き合ってほしい学校行事の動向をお願いしたい、などなど。
介護の資格で有名な「介護職初任者研修」や「実務者研修」は介護保険法による資格です。障害者支援法は2013年に施行された新しい法。障害者自立支援方からの修正された法です。今後もどんどん法などに改正がなされると見られています。それに伴い、障害者支援や介護業界の制度も充実していきます。
業界の拡大によって今後需要も増えていくと考えられています。
ガイドヘルパー(移動介護従事者)の需要はあるの?
転職の際に「需要はあるのか」と考えるかたは多くいらっしゃいます。
移動介護従事者の需要は増え始めていて、現在でも徐々に求人が増えてきています。
障害者施設では日常的な移動援助が必要となります。そのため、ガイドヘルパーは利用者へのサービス提供に欠かせない存在となります。
一方で、現在は移動援助のみの業務で働けるところは少ないのが特徴となっています。ほぼないと考えてもいいでしょう。
基本的には介護職の方がプラスαで持っておく資格という認識が一般的です。
介護職にプラスαで取る資格という認識
ガイドヘルパーの仕事は、移動等だけでなく、一般的に言われる介護も同時に行うものがほとんどです。
介護職のかたにとっては、移動介護従事者の資格を持っていることで仕事の幅が広がることになります。また、同時に求人の数も増えます。
求人の多い施設としては訪問介護やデイサービスなど。また、障害者福祉施設などの転職情報もあります。
資格を取るタイミングとしては、ホームヘルパー2級を取得した後にガイドヘルパーの資格を取ることで食いっぱぐれはないでしょう。また、介護・福祉に関する網羅的な知識を得ることができるようになります。それによって、より良いサービスが提供できるようになるでしょう。
ガイドヘルパーとして転職したい!求人情報はどうか
ガイドヘルパーの求人としてはどのようなものがあるのでしょうか?以下に詳しく説明していきます。
正社員と非正規どちらの求人が多い?
移動介護従事者は通常の介護職の資格にプラスαで取る資格という認識が根強いです。そのため、かつては介護職としての正社員雇用の転職情報が多かったようです。
しかし、最近では非正規雇用でガイドヘルパーの募集をしている事業所が増えてきています。
とはいえ、介護職の資格を持っておらず職につくのは難しいという印象です。
正規雇用の転職ってどんな感じ?
特に非正規雇用の募集が多いのは訪問介護や養護学校への送迎の事業所などがあります。
平均給与水準としては、関東地方の場合は月収22万円。関東についで関西、東北、九州、沖縄地方と給与が下がっていきます。
国家資格である介護福祉士がガイドヘルパーの資格を取得した時の平気月収は24万円となります。
「移動介護従事者」系の資格のみを持っている場合は、月収はそこまで高くはなりません。20万円前後が相場になります。
介護職の資格を持っていない場合、また、介護職の仕事をしないという場合、パートなどの場合の方が稼げるという場合もよくあります。
非正規雇用の場合
非正規雇用の場合は比較的多くなっています。ガイドヘルパーとして専門的に仕事をこなすならば、時給はおよそ1,500円~2,000円まで登ります。これは介護業界の中でも非常に高い水準です。
しかし、このレベルに至るには移動介護従事者資格の中の「全身性障害過程」の取得が必要になります。この資格はその名の通り全身性の障害(脳性麻痺、筋ジストロフィー)を有する方の外出時における支援を行うのに必要な資格となっています。
ちなみに、移動介護従事者の資格には「同行援護従業者養成研修(視覚障害者)」「全身性障害者過程(全身性障害者)」「行動援護従業者養成研修(知的障害者)」の3つがあります。
「全身性障害過程」の資格を取ってしまえば、正規雇用のフルタイムで働くよりも、複数の事業所をまたいで非正規で働いた方がトータルでの収入が高くなる可能性が高いです。
専門的なガイドヘルパーとしての勤務には短い時間のものも多いです。そのため、専門性をいかすためには多くの事業所をまたぐ方が稼げる、というわけです。
資格手当などをよく確認し、正社員がいいか非正規雇用がいいか確認しておきましょう。
ガイドヘルパーの転職市場って?
やはりガイドヘルパー専任の場合は少なくなっています。ほぼないといっても過言ではないでしょう。
しかし、初任者研修・実務者研修・介護福祉士の資格を持つことによって可能性は大きく広がります。
施設形態や雇用形態にこだわらなければ高給の求人もみつかるでしょう。
また、正社員にこだわらなければ移動介護従事者らしい仕事ばかりできる場合もあるようですので探してみることをおすすめします。
今後の市場拡大に期待
介護業界自体の離職率は17%を超え、転職市場では売り手市場となっています。
一般的に転職は35歳までと言われる中で、介護業界への転職者には50代も多いです。年齢やスキル・資格によって、今後は働き方も多様化してくるでしょう。
そんな中で、材不足が続けば分業化されるのはそう遠くない未来だと考えられます。むしろ、作業を効率化しないと介護業界の人材不足に対応できるはずもありません。
仕事が分業化されればされるほど、ガイドヘルパーの仕事は需要が大きくなるでしょう。そうなってしまえば、安定した専門職として働くことができるかもしれませんよ。
ガイドヘルパーになるならば他の資格の取得が無難
介護業界で働く限り、ガイドヘルパーだけで働くのは難しいです。
ガイドヘルパーとして働くならば、他の介護系の資格を取得して、介護職として働くことが必要になります。
しかし、ガイドヘルパーの需要も増えていくことが想像できます。すぐに活かすのは難しいかもしれませんが、今後に転職に活かせる機会は多くあるでしょう。