介護の初任者研修と実務者研修どっちを取る?研修内容紹介 作成日:2017.08.23
最終更新日:2018.09.04
無資格で初めて介護業界に触れたかたの場合、何をどうしたら良いのか全くわからないですよね。今回は研修内容について見ていきましょう。
まず、未経験で取れる資格は初任者研修と実務者研修の2つです。
この2つどちらを選ぶべきなのか迷いますよね。
今回は違いを徹底的に分析していきましょう。
初任者研修はどんな資格か
まずは初任者研修について見ていきましょう。
これは介護の基本的な技術や知識や思考プロセスを理解することを目標としている資格です。この資格を取得すると自宅や施設で食事や入浴、排泄の介助を行うことが可能です。
初任者研修のカリキュラム
続いて研修内容について見ていきましょう。
初任者研修は130時間のカリキュラムでできています。
テキストを用いて学ぶ科目と現場で行う演習で構成されています。授業を終えると修了試験が実施されます。
内容としては以下のとおりです。
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持、自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護、福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
130時間とだけあって盛りだくさんの内容になっていますね!
それぞれの講義で学ぶこと
それぞれの講義内容について詳しく見ていきましょう。
職務の理解
職務の理解ではオリエンテーションのようなことも実施されることが多いです。受講生同士の自己紹介や目的について共有します。スクールによって違いますが、20代~40、50代の方もいるのでさまざまです。スクールに通い続けることが一番大切ですので、仲間を作り通うのが楽しく感じるようにがんばりましょう。
尊敬の保持と自立支援
続いては介護における尊敬の保持と自立支援についてです。ここでは事例を基にどのような支援が必要なのかについてディスカッションをします。
介護の基本では、高齢化に伴い要介護者が増えていく中で、何が求められているのかについて考えます。また、介護におけるリスクなどの基本的なことも研修内容に含まれています。
介護、福祉サービスの理解と医療の提携
介護、福祉サービスの理解と医療の提携では、福祉や医療との提携について学びます。専門用語も多く覚えることが非常に多いです。しかし現場で上手く連携するためにそれぞれの立場を理解することでスムーズに仕事ができるようになります。
介護におけるコミュニケーション
続いては介護におけるコミュニケーションについてです。高齢者とのコミュ二ケーションや他のスタッフとの情報共有についても学びます。また、介護者の家族への報告の際にどのようなことに気をつけるべきかが身につけます。
老化と認知症の理解
そして老化と認知症の理解についてです。介護で相手にするのは高齢者が多いです。どのように過ごすと健康を持てるのか、認知症の方にはどのように接するべきなのかを見ていきます。これは非常に身近な問題なので、知識として特に抑える必要があります。
こころとからだのしくみと生活支援
そして一番長いこころとからだのしくみと生活支援です。ここでは実際に現場で行われていることを体験します。車椅子やベッドの移動する際の自分の腰への負担を感じる。食事の際の大変さを知る。これにより介護をする際に自分の負担をいかに軽減するかを考えます。
このように内容は介護者だけではなく自分や家族の負担をいかに軽減するかも学びます。介護の基礎的な知識を身につけることができます。
実務者研修の講義内容はどんな感じ?
続いて実務者研修について見ていきましょう。実務者研修は初任者研修内容を理解していることを前提にさらに講義と演習の内容の幅が広がります。また、ヘルパーのリーダーであるサービス提供責任者のポジションにつくこともできます。それでは研修内容を詳しく見ていきましょう
まず、受講時間は、450時間です。しかし、初任者研修を取得している場合は320時間です。
研修のカリキュラム
研修のカリキュラムは以下のようになっています。
人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解 | 35時間 |
介護の基本 | 30時間 |
コミュニケーション技術 | 20時間 |
生活支援技術 | 50時間 |
介護過程 | 90時間 |
発達と老化の理解 | 30時間 |
認知症の理解 | 30時間 |
障害の理解 | 30時間 |
こころとからだのしくみ | 80時間 |
医療的ケア | 50時間 |
450時間ということで、一つ一つの講義をじっくりと行っていますね。
医療的ケアの講義の内容
それぞれの内容については初任者研修で説明したため、全体的に省略していきます。初任者から増えた点は医療ケアという部分でしょう。
この医療的ケアでは「喀痰吸引」と「経管栄養」を学んでいきます。喀痰吸引は痰を詰まってしまわないように吸引すること。経管栄養は口から栄養補給ができなくなってしまった方の、鼻または腹部の皮膚からいにチューブを通して栄養補給を行うことです。
医療的ケアでは演習も行われます。
実務者研修は受講時間が長い
明らかに初任者よりも受講時間が多いですよね。
一番の違いはサービス提供責任者になることができることと医療ケアを行うことができることです。
サービス提供責任者になるとケアマネジャーのプランに従って計画所を作成するなど介護サービス全体のマネジメントをします。給料もある程度高いです。
続いてはたん吸引と経管栄養を行うことができます。将来の転職にも有利になります。
迷ったら初任者研修から始めるのがおすすめ
無資格、未経験で取得する資格には初任者研修と実務者研修があります。そのためこの2つのどちらを取得するべきなのかについて迷う人が非常に多いです。
迷ったらどちらを選べば良いのでしょうか。
先程も述べましたが、実務者研修内容の多くは初任者研修内容を理解している前提での知識が多いです。また、初任者を終えている人が実務者研修を受ける際は一部の講義の受講が免除されます。
そのため、450時間以上ある講義の130時間分が短縮されます。
初任者を先に受講することをおすすめします。
しかし、自分の今後のキャリアプランに合わせて受講を決めましょう。