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介護は本当に大変なだけの仕事なのか?

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頭を抱える介護職の女性

介護が精神的にも肉体的にも大変だというのは本当のことです。

要介護者の方からすれば、自分の命を預けるわけですから、預けられる方の負担もひとしおというわけです。

また、身の回りの世話をしなければいけないので、その分身体と心共に寄り添う必要があるのですが、人と人は近づけばすれ違いが起こりやすくなるものです。すると、精神的負担がかかる、それは避けようのないことです。

しかし、介護の仕事は単にお世話するだけではありません。

同時に自分も高齢者から学ばせてもらえる職場であるということ、それを忘れていませんか。

在宅介護から見る基本的な介護の負担

在宅介護と仕事にすることの内容自体はそこまで変わりません。したがって、まずはそこから介護自体の大変さを知っていきましょう。

精神的な負担

いかにお世話する相手が介護を必要である状態だとわかっていても、やはりお食事で喉に詰まってしまった食べ物を指で掻き出したり、排泄のお世話をしたりするのは精神的に大変なものです。

人間同士のコミュニケーションが必須のお仕事なので、当然嫌われたり嫌なことを言われたりする場面もでてきます。

相手が認知症であれば、繰り返す質問に毎回毎回返事をするのも、相手をするほうは苦しいことでしょう。

肉体的な負担ではなく、精神的な負担で体調を崩してしまうケースも有るのだといいます。

時間的な負担

介護をするということは、ビジネスライクに言えば、自分の予定をかまってくれない人相手にサービス業を行うということですから、他のことがあまりできなくなってしまうのは想像がしやすいと思います。

これは在宅介護をする一般の方のお話なのですが、自分の親が世話を必要とする状態になり、仕事を早退したり会議の途中で抜け出したりしていたら、退職を勧められてしまったのだといいます。

仕事の上では、これほど時間が制限されることはないと思いますが、介護がいかに時間をとるかということは分かると思います。

仕事では、夜勤なしだったり夜勤手当がたくさんついたりするので、その点在宅よりよっぽど時間的に束縛されないといえるでしょう。

肉体的な負担

介護をするということは、もちろん相手の体を動かすことと直結します。自分よりも相手の方が体重が重かったりすると、介護がより大変になってしまいますね。また、それ以外にも選択や料理など、体力を使う場面は非常に多いといえるでしょう。

介護職に就くからこそ生まれる大変さ

家族の介護をすることと、それを仕事にすることとはどのように違ってくるのでしょうか?

職場の業務環境

介護職の現在の業務環境は、はっきり言ってそこまでいいものではありません。

サービス残業にされることが多かったり、自分の頑張りが給料にそのまま成果として反映されにくかったり、職員同士の陰口や噂話が絶えなかったり……。

特にキャリアアップに関しては、給料を払う方も頑張りを評価しづらいので、単に闇雲に頑張っても、評価されないことが多いかもしれません。

ですが、資格をとると話は別です。介護の仕事は持っている資格で給料が決まることが多いので、会社が資格の取得をサポートしてくれるところであれば、キャリアアップはとても透明です。

ですが、最初はお給料の面でも高くはないので、男性で家族を自分で養わなければいけない場合は、なかなかきついものがあるのかもしれません。また、変則勤務による体調管理の難しさ、感染症の予防も介護の仕事にはつきものだと言っていいでしょう。

施設の利用者に対する悩み

自分の家族を世話することとは違い、施設の利用者は必ずしも自分のことを思いやってくれるとは限りません。

単に性格が悪く、すぐに怒鳴り散らす入居者や、高齢のせいで自分がコントロールできずに、介助をしていると顔や腕を殴ってくる人もいます。

自分からしたら相手の助けになることをやっているのに、その分感謝がもらえないのはこの上なくモチベーションに悪影響を与えることでしょう。

介護職でよかったと思う瞬間

先に大変さを色々と述べたわけですが、ある意味職場が生易しいところではないというのはどの業界、会社にも共通することです。

介護はいい加減に仕事すると人の命を奪ってしまう結果になることもある責任重大な仕事ですが、その分感謝されることも多いことは間違いありません。

自分の仕事によって利用者や家族に笑顔が浮かび、ありがとうといって感謝される時、元気のなかった利用者がどんどん回復していく時、無事に思った通りの最期を入居者が迎えた時……。介護職の方は、自分が社会の役に立っていることをこの上なく実感し、大変さが報われたと思うそうです。

介護職の意外な良いところ

高齢者と一緒にいるということは、彼らから普段は学べないことが沢山学べるということでもあります。

「いつもありがとう」「ごめんね、大変な思いをさせて」といってくれる方も沢山いらっしゃるそうですし、若者と違って余裕があり礼儀正しいのだそうです。

高齢者は人生の先輩ですから、自分たちにはない心の余裕や人に対する許しの心をもつ方が多いのは、若者にとっては嬉しい事実ですね。

長い人生の中で、お年寄りは様々な苦労、体験をされています。結婚、出産、子育て、死別、金銭上の苦労、自分の親の介護や死、そして自分自身の死に向き合ってきた方のお話が聞けたり、その背中を見れるのは、とても贅沢なことではないでしょうか。

もちろん、前に述べたように、皆が皆尊敬できる人ではないのも事実です。しかし、いざ働いてみると、驚くほど尊敬できる方が多いのだといいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。介護のお仕事は大変です。大変なだけでもないということがお分かりいただけたでしょうか。

他の仕事と同じように、やり甲斐もあり、楽しくもあるそんなお仕事です。

むしろ、他のお仕事よりも需要があり、求められている尊い仕事でもあります。

もし興味をもっていたらぜひ介護職として働いてみてくださいね。

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