児童発達支援管理責任者の仕事内容 作成日:2017.08.23
最終更新日:2019.12.24
児童発達支援管理責任者は新しくできた仕事です。そのため、初めて耳にしたという人も少なくはないと思います。
それでは児童発達支援管理責任者について詳しく見ていきましょう。
仕事内容
児童発達支援管理責任者は児発管と省略されます。
主に児童福祉法によって定められた施設の関わりを通して、児童の発達の課題を把握します。そして個別支援計画を作り、1人ひとりに合わせて支援や集団療育の管理や計画を行います。
児童発達支援管理責任者の主な仕事内容は以下のとおりです。
- サービス内容の説明
- アセスメント
- 利用計画書の作製
- 活動内容の立案
- 支援の提供
- モニタリング
- 関連機構との連携
- 保護者との連携
- 緊急時の対応
- 身体拘束の管理、実施
並べてみてもいまいちイメージがつきませんよね。以下で詳しい仕事内容について説明していきます。
各仕事の詳細
隠し事の詳細について説明しています。
サービス内容の説明
サービス内容の説明とは、利用者が事業所を利用する時に保護者に対して規定や自己負担額、重要自己などを説明する事です。
サービスの内容だけではなく、人員の体制や給付金の算定額、緊急時の対応方法の把握も必要です。
アセスメント
アセスメントとは、事前評価や情報収集の意味として、障害の内容や子供の状況確認をします。
主な内容として以下が挙げられます。「コミュニケーション力」「理解度」「運動能力」「興味関心」「家庭環境」などがあります。また、服薬や発作の有無を確認し緊急時の対応方法を把握する必要があります。
サービス利用計画書の作製
サービス利用計画書の作製とは、アセスメントで確認した情報を基に自社のサービスを利用する計画書を作る事です。
保護者や本人から出た課題や支援内容、達せ時期を盛り込みます。利用周期や平日、休日、長期休みのそれぞれでできる事の設定を盛り込みます。
活動内容の立案
活動内容の立案とはひとりひとりのニーズに合わせて活動内容を決める事です。タイムテーブル化する事によって利用者が見通しを立って活動できるように促す効果もあります。
障害や特性、環境を考慮し、他の指導員の意見も取り入れながらチームで創り上げます。 しかしタイムテーブルに囚われすぎてしまうと活動が限られてしまう傾向があるためさまざまな活動内容を組み合わせます。
支援の提供
支援の提供とは支援開始前にミーティングを通してその日の利用者や支援内容、役割分担を説明します。支援後も話し合いを通して支援の際に気づいた事や問題点を共有します。常に利用者の様子に注意し、随時報告します。
モニタリング
モニタリングは約6ヶ月毎の割合で行います。監視、観察の意味で最初に計画した目標に対してどれだけ達成されているのかを評価します。
提供したサービスがその人に合っていたかどうかも評価します。また、モニタリングの結果に合わせてサービス利用計画を変更します。
関連機構との連携
関連機構との連携では、学校や保育園、自治体、相談所などの機関と連携します。特に学校とサービス事業の分担を明確にする事で支援方法を合わせる事ができます。また行事の参加も検討します。
保護者との連携
保護者との連携はそのままですが、自宅の様子やサービスから帰宅した後の様子を把握します。<家庭内で行ったほうがいい事を保護者に助言をするとともに保護者の悩みを聞きます。
保護者は自分の子供しか分からないが、サービス提供者はさまざまな子供を見ているのでさまざまな面でフォローができます。
保護者は周りに相談しづらい悩みを抱えている人も多いので話を聞く事で1人で抱え込まないようにしてあげる事が大切です。
緊急時の対応
緊急時の対応はサービス提供の時に事故やケガが生じた時に対応する方法をマニュアルにします。それを見るだけで誰でも対応できるように訓練も行います。服薬がある人はどのような薬なのかをマニュアルにします。
また災害の際の対応方法も作成し、避難訓練も率先して行います。
身体拘束の管理
身体拘束の管理は普段はあまり聞き慣れないですよね。これは利用者を押さえつけたり外部と隔離する事を言います。<事前に保護者や利用者本人に同意を得る必要があります。これはやむを得ずの緊急事態に限ります。また、拘束した際は記録を取り保護者への報告も義務付けられています。
やる事がたくさんあって大変な仕事です。しかし、接する人数も多いですし、感謝されるお仕事でやりがいも多いでしょう。
勤務場所・資格
上では児童発達支援管理責任者の仕事内容を見てきました。続いては勤務場所について見ていきましょう。
児童発達支援管理責任者は働く場所としては、児童発達支援センター、児童発達支援事業、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設などがあります。
これらは人員配置の基準で児童発達支援管理責任者が1名以上必要と決められています。
もし、児童発達支援管理責任者が不在となった時は事業所への給付金が少なくなります。
施設管理者と児童発達支援管理責任者の兼任は認められていますが、指導員との兼務は認められていません。
どうやって児童発達支援管理者になるの?
それではどうしたら児童発達支援管理責任者になれるのでしょうか。
実務経験を満たしており、相談支援従事者初任者研修と児童発達支援管理責任者研修の2つを受ける必要があります。
実務経験は非常に細かく定められています。①相談支援業務を5年以上、②直接支援業務を10年以上、③有資格者など3~5年以上というように定められています。
児童発達支援管理責任者になろうと考えている方当てはまるかどうかよく調べる必要があります。
児童発達支援管理者の給料目安
そして最後に1番気になる人が多いと思う給料についてです。
児童発達支援管理責任者は新しい制度なので、情報はそれほど多くありません。
平均は月収22万円~24万円です。
なかには年収400万円を越える人もいます。
保育士などと比べるとやや高めとなっています。なぜなら、障害のある子供に接するためそれなりに苦労も多いです。
しかしもちろんやりがいもあります。
自閉症の子供などが本来は1人遊びが好きだったのに仲間を見つけて皆と遊ぶようになった姿などを見ると苦労が多い分感動も一段と大きいようです。
まとめ
初めて耳にしたという人も多い児童発達支援管理責任者という仕事を理解して頂けましたでしょうか。
障害のある子供と関わる事は大変ですがやりがいも非常に大きいです。
また保育士などよりも給料も比較的高くなっています。
これを機に児童発達支援管理責任者という職業に挑戦してみてはいかがでしょうか。