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接遇ってどういう意味?介護職における接遇の重要性とポイントとは?

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「接遇」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

サービス業を中心に使われているこの言葉は、介護業界にも徐々に浸透してきています。最近では接遇を学べる研修を実施している施設も増えています。

様々な人と関わる介護職。介護職にとって、接遇はどんな意味で、どれほど大事なものなのでしょうか?

ここでは接遇の意味から重要性、実施のポイントも含めて、日々の業務で意識したいポイントを5つ紹介します!

「接遇」ってどういう意味?

接遇のとはおもてなしの心を持って相手に接するという意味を持ちます。

  • 「接」…人に近づく意味。

    ※接近など

  • 「遇」…もてなすという意味。

    ※「遇する」という言葉が「もてなす」という意味

接遇は、基本的にはお客さんや利用者、接する人にもてなしの気持ちを持って接することをいいます。

接遇は接客とは違うの?

接客と接遇は、一般的に混合されがちです。しかし、違う意味で使われます。

  • 接客…お客・利用者に対応する行為自体を指す。状況に合わせて対応できること、利用者の望んだサービスを提供することなど。

    クレームのでない対応をしているだけでも接客になる

  • 接遇…「おもてなし」の気持ちを指す。身近な人、思いがけず出会った人などに対して、こころが通じ合うようにすること。

    お客さんや利用者さん、その家族や周りの人が気持ちよくサービスを受けられるような気遣いや配慮、行動を行うこと。

つまり、接遇は接客を含んだこころもちやマナーのことを指しています。

接遇はなぜ大事なの?

企業において、接遇マナーの良し悪しが業績に直結すると言われています。

一見「業績」とは関係なさそうな接遇。企業イメージやブランド力はもちろんのこと、しっかりと業績にも関係してきています。

接遇ができることは顧客の満足度を上げる第一歩

まず、接遇ができると顧客の満足度を上げることができます。失礼がなく、心遣いのある店員さんと、そうでない店員さんがいる店、どちらをリピートするでしょうか?

単純な話ですが、失礼がなく、話していて心地いい店員さん、つまり、接遇が行き届いた店員さんのいる店なら、通いたくなるものです。

単純に満足度が高く、リピートや口コミ評判がよくなるので、業績アップに繋がります。

関わりの中で仕事を学べることで個人のスキルアップにも

接遇マナーが行き届いた職員のいる職場は、お客さんにだけでなく、スタッフ同士にも心配りが行き届いていることが多いです。雰囲気のいい職場が必然的に増えます。

お客さんとはもちろん、周りのスタッフとも積極的に信頼関係を築けます。そのおかげで、ホウレンソウが行き届き、業務の効率化はもちろん、個人の成長もできていきます。

チームの連携はもちろん、個人個人のパフォーマンスが上がることが、結果企業の業績につながるので、接遇はチームにとても大切、ということになります。

個人の給料を上げるためにも接遇は大切

施設全体の接遇態度アップは、施設の強みになります。介護業界でしっかりと根を張っていくためにも、利用者とその家族の満足度を上げることが大切です。

施設が安定すれば、介護職の給料も上がる。上がらなかったら転職という選択肢も、接遇ができている人なら余裕です。相手に対して気持ち良いコミュニケーションが取れる人が、面接で悪い評価を受けるはずがありませんから。

介護職にとっての接遇って?重要性と現状の課題

介護職にとっての接遇とは、単純にお客さんに接する、だけではない難しさがありkます。その分接遇の重要度もとても高いです。

重要性と、課題について細かく説明していきます。

介護職にとっての接遇の重要性は?重要な理由

接遇が重要な理由①利用者が人生の大先輩「高齢者」である

施設を利用する人の多くは、人生の先輩である高齢者の方々です。施設を利用している次点で、生活にままならない事情を抱えている方が多いです。

それぞれの背景や事情を配慮しないと、利用者との信頼関係を築くのは難しくなります。

接遇が重要な理由②関わる人が多い

介護職は、人とのふれあいが多い仕事です。

利用者はもちろん、利用者のご家族、周りのスタッフ、ケアマネから看護師、医師まで、関わる人は多種多様になります。

働くスタッフの年齢も20~60代まで老若男女。個人の仕事に小さな差異はあれど、基本的には人と関わる同じ仕事をしています。

関わる人が多種多様なので、相手に合わせたコミュニケーション、つまり接遇がとても大事になるのです。

接遇が重要な理由③接遇ができることで仕事しやすくなる

利用者としては、信頼できない人に自分の身を任せるのは難しいものです。

接遇によって利用者が安心してサービスを受けられる信頼関係を築くことができると、介護職としてもサポートがしやすくなります。

また、介護職として働く本人としても、信頼され、必要とされているという実感を持て、ます。そして、仕事にやりがいがでてきます。

介護業界の接遇の実情

福祉を取り巻く環境も日々変化しています。不況や事件など、経済や社会の変化で、福祉業界もコロコロ変わります。

利用者個人の意識も昔と比べて変化が出てきて、権利意識の強い方が増加傾向にあります。利用者のご家族も、「モンスターファミリー」などと呼ばれる事例が増えています。

どこは受け止めてどこは拒否するべきなのか、昔に比べて組織・個人として広い視野を持つことが重要視されています、

介護業界の接遇の課題

施設によっては接遇の研修を受け入れている場所もあります。職員に接遇の考え方を知ってほしい!という優良な施設ですが、現場の考え方とギャップがあることも多いようです。

そもそも利用者と介護職の間に考え方の違いがあることも多いです。

介護職が「よくできている」と感じていても、利用者としては接遇できていないと感じていることもあります。

介護職における接遇の心構えは?

介護のプロとして身につけて置きたい接遇、とはいえ、利用者にどう接したら、ふさわしい接遇になるのかは難しい問題です。まずは接遇を適切に行うための心がまえを紹介します。

聞く姿勢を忘れない

相手に寄り添ったコミュニケーションを取るには、相手の立場になって考えることが大事です。

介護職側のスケジュールや要望を利用者に伝えるだけではなく、利用者の訴えにも耳を傾けることを忘れずにいましょう。利用者の希望通りにいかないことも多いかもしれません。しかし、自分の言葉に耳を傾けて聞き、理解を示すことで、利用者は安心してくれます。

相手の気持ちになって考え、気付ける存在になること

日々の業務に精一杯で、利用者の気持ちに気づけ無いこともありますよね。 一人ひとりに割く時間は無いかもしれませんが、じっくり話す時間はなくても、相手の様子を見ることはできます。日々利用者にまなざしを見けていれば、相手の体調や好みに気づくことができます。時間が限られているからこそ、視野を広く持って、利用者のことを知ろうとすることが大切です。

距離感を大切にする

利用者と仲良くなる!と息巻いていると、大切な距離感を忘れてしまうこともあります。親近感を持ちすぎて、馴れ馴れしくなってしまっていないか注意しましょう。

自分としては親しみを込めたつもりでも、相手にとって不快に感じる場面もあります。

あくまでも介護職としてサポートし、寄り添うという距離感を忘れないようにしましょう。

接遇のポイント5原則

具体的にどんなことをしたら、ふさわしい接遇となるのかは難しいですよね。ここでは、業務中に使える接遇の具体的なポイントを説明していきます。

ポイント1:挨拶

挨拶は最も基本的なコミュニケーションです。接遇の基本も、挨拶と言っても過言ではありません。

気持ちのいい挨拶は利用者とのコミュニケーションをとるきっかけになります。また、 挨拶をすることによって、相手に「自分は的じゃないよ」と示すことができます。

【挨拶のポイント】

  • 目を合わせる

    目を見ながら挨拶をすることは、心をひらいているサインになります。

    また、相手が心をひらいているかの目安にもなるので、自分から目を合わせてしっかりと伝わる声量で挨拶しましょう。

  • はっきりと話す

    利用者には難聴になっている人もいるので、大きな声は大切です。いくら挨拶をしても、伝わらなければ意味がないので、恥ずかしがらずに大きな声で挨拶をしましょう。

ポイント2:言葉遣い

相手との信頼関係を築く上で、言葉遣いはとっても重要です。

【利用者に対して注意すべき言葉遣い】

  • 友達のような馴れ馴れしい言葉

    仲良くなろうとするとついつい馴れ馴れしい言葉を使ってしまいそうになりますが、相手は人生の大先輩。高齢者の方に対して、馴れ馴れしい口を聞くのはとっても失礼になります。

  • 専門用語や一般的じゃない言葉

    また、専門用語を使わないようにするのも大切。コミュニケーション上で、わからない言葉を使われるのはとても不快な思いをします。また、流行り言葉などもわからない可能性があるので「ヤバい」や「超」「ウケる」なども使わないようにしましょう。

  • 命令口調など、相手を下に見た言葉

    相手をサポートするという立場上、介護職につきまとうのが何かをしてほしいときのお願い方法。当然、「〇〇しなさい」などはとても失礼に当たります。また、子供扱いするような言葉もNG。相手は自分の両親や、時には祖父に当たる人たち。バカにしていると捉えられます。エスカレートして虐待につながる例もあるので、注意しましょう。

スタッフ同士の会話にも要注意

利用者の方に、スタッフ同士の会話が耳に届いていることもあります。

利用者のうわさ話をされていたらもちろん嫌でしょう。仕事中に関係ないおしゃべりをずっと続けられるのも、気分を害してしまうかもしれません。

大きな笑い声も、うるさくない程度に心遣いをもっていきましょう。

ポイント3:表情

基本的に会話は相手の目を見て話すことが大事です。この時にニコリともせずに目をみても、相手は睨まれているような気持ちになることもあります。

【利用者と話すときの表情のポイント】

  • 笑顔
  • 柔らかい表情

無理に不自然に笑うことはありません。しかし、基本的に柔らかい表情を心がけることも大切です。柔らかい表情は、相手に安心感を与えることができます。

利用者が心地よく過ごせるような空間を提供するために、笑顔や柔らかい表情でせっすることが大切です。

ポイント4:お辞儀

お辞儀も、相手に対して経緯を払う大切なポイントです。

【お辞儀のポイント】

  • 両足をきちんと揃える
  • 重心を前に置く
  • 腰から上をまっすぐにする
  • ゆっくりと傾ける
  • 両手は体の横・または前につける

お辞儀にはしっかりとした作法があり、高齢者の方だと若い人よりも厳しく育てられている人がたくさんいます。

相手に対して無礼にならないよう、猫背にならないように、きちんとした姿勢でお辞儀をすることを心がけましょう。

ポイント5:身だしなみ

身だしなみは相手に対して敬意を表すものです。

人の第一印象は見た目で決まってしまいます。見た目と行っても、顔がきれいとか背が高いとかではなく、清潔で派手すぎない格好をしているかが大切です。

【身だしなみのチェックポイント】

    服は汚れていないか
  • 髪・つめは清潔か
  • メイクは派手すぎないか

他にもたくさんありますが、清潔感があるか、というのが一番大切なポイントです。葉の汚れや口臭、その他匂いなども大切な身だしなみなので、基本的には清潔な身なりを整えて出勤しましょう。

接遇の大切さとポイントを知って上手く利用者をサポートしましょう

利用者の方々は、様々な人生を歩んできています。接遇をしっかりと行うのは、相手とその家族を尊重することになります。

また、自身のやりがいを高めることにも繋がります。

気をつけておきたいポイントとしては、「接遇はテクニックではなく、相手を思う気持ちから生まれてくるもの」ということ。

利用者とその家族に寄り添って、お互いが気持ちよく過ごせることを目標にしていきましょう!

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