マイナンバー制度の介護でのメリット 作成日:2017.06.26
最終更新日:2019.11.12
マイナンバー制度とは、赤ちゃんや高齢者にも、国民1人1人に対して12桁の番号を振り分ける制度です。
この制度が介護にどのように関わってくるのか、介護にもたらすメリットについて紹介します。
マイナンバーが必要な介護に関わる手続き
マイナンバー制度によって、1人の情報を各公共団体が共有して、時間を削減することができます。よって、1つの手続きに、いくつもの機関を訪れたりする必要はなくなります。
これからこの制度が普及していくにつれて、さまざまな手続きに必要になってくると考えられます。
介護の業界では、介護保険に関する申請などが中心となるでしょう。高額医療費や年金給付にも関係してきます。
高齢者への影響
施設利用者の場合を考えてみましょう。
公共機関のやりとりや管理は自分自身で行うことが原則です。しかし、本人が自分で管理することが難しい場合には施設の職員が代理で行うことになります。
本人が認知症などの理由で、管理を自分で行えないと思われる場合は、その施設で管理し、家族か成年後見人が後に管理する、という形になります。
また、1人暮らしの高齢者の場合、家族による介護あるいは訪問介護やヘルパーを利用している方が多いです。
家族ならばいいですが、介護職員が本人の代わりに預かることはできません。職員は、利用者の個人情報を預かったり、メモしたりしないことが大原則となるからです。
家族や後見人に預ける、あるいは役所へ相談するなどの対応をとる必要があります。
マイナンバーは非常に重要度が高い情報になるので職員もその取扱いや対応に慎重にならなければなりません。
このように大きな影響力を持つ制度について、その介護へのメリットを紹介します。
メリット
この制度の導入によって介護にもたらすメリットがいくつかあります。
具体的なマイナンバーのメリットは以下のとおりです。
- 手続きが簡単になる
- 年金問題が解消される
- 医療面でも効率が良くなる
1つ1つについて詳しく説明していきます。
手続きが簡単になる
日本で人が生活する場合、非常に多くの手続きをしなければなりません。いままでは、重複した手続きをすることもありました。
以前にもした作業や手続きをしたり、多くの資料で複雑になっていたりして、不満に感じていた人も多いと思います。
その上、高齢になるにつれて、自分で管理できなくなってきますが、マイナンバーの導入で煩雑な手続きが簡略化されます。
自分で管理できないときは、代理で介護者が手続きを行うことがあります。
この場合も導入によって手続きの短縮化や簡明化が進みます。これが、まず挙げられるメリットになります。
年金問題が解消される
年金問題とは、納めたはずの年金が納めたことになっていなかったり、必要な額を受け取れなかったりする問題です。
年金は高齢者にとって非常に重要な収入となるので、このような年金問題は重大です。
一つの番号で管理することによって、正確な情報を共有できるため、年金問題は解消できます。
これは、高齢者だけでなく施設側からみてもメリットになります。
高齢者の金銭的な問題が解消されれば、介護依頼も増えると考えられるからです。
医療面でも効率が良くなる
今までは、病院で診察を受ける場合、健康保険証や医療保険やお薬手帳を使っていました。これからはこれらの情報もひとまとめにできます。
保険証や医療保険の情報だけでなく、それまでの医療記録や投薬記録をすべてひとまとめに管理できるので、より正確な診断や、安全な治療を行うことができることもメリットです。
これらからわかるように、介護業界への影響は大きく、将来的にもっと活用されていくでしょう。
セキュリティ
数字で国民の管理を行うということは、それだけ自分に割り当てられた数字が持つ情報が多いということです。そのため、セキュリティは大丈夫なのか不安に感じる人も多いです。
これからそのセキュリティについて説明します。
マイナンバーは慎重に扱われ盗み見も不可能
扱うことになる機関では、情報保護評価報告書などの提出が義務付けられていて、情報漏えいが起こると罰則も発生します。
そのため、介護施設や職員は、これから個人情報に対して慎重になるはずです。
また、行政機関のみがマイナンバーによる情報を直接取り扱うことができ、介護施設などでは行政機関に照会し確認するという形になります。
よって、介護職員が勝手に個人情報を盗み見ることはできないようになっています。
国側も丁寧に扱っている
このように、日本で初めての導入となる制度なので、国側も慎重に進めようとしています。そのため、セキュリティに対しては厳しく取り扱われるでしょう。
セキュリティもしっかり管理されれば、この制度はメリットが多いと思われます。このメリットを十分に活用するためにも、我々国民側もよく理解しておかなければなりませんね。
まとめ
マイナンバー制度はそのメリットがあるにも関わらず、まだ日本全体に浸透しているとは言えない状況です。しかし、この制度によって介護業界は変わっていくと思います。
マイナンバー制度は多くの世代で認知されていますが、その内容までしっかりと理解しているわけではありません。その人個人の重要な個人情報であることを国民皆が理解しなければならないでしょう。
安心してサービスを受けるためにも、しっかりとこの制度を理解しておきましょう。