福祉用具専門相談員とは!勤務先別の仕事内容の詳細 作成日:2017.08.22
最終更新日:2019.10.31
介護・福祉業界の資格である「福祉用具専門相談員」をご存知でしょうか?今回の記事では福祉用具専門相談員とはどんな仕事なのかご紹介いたします。
これからの資格取得、そして転職やキャリアアップをお考えの方はぜひ読んでみてくださいね。
福祉用具専門相談員とはどんな職業なのか
福祉用具専門相談員とは、福祉用具の選定・使い方の相談に乗って調整等を行う専門職です。介護保険を適用して福祉用具を利用する利用者さんが相手となります。
福祉用具とは高齢者や障害者の生活を支援するための用具の総称です。車椅子や介護用特殊ベッドなど、一般的にイメージのつくものも少なくありません。他にも入浴用のリフトや排泄補助の道具などがあります。
これらの道具は、利用者はもちろんのこと介護社の負担軽減にも繋がります。超高齢化社会と呼ばれる現代。福祉用具専門相談員とは、必要とする人のもとに相応しい用具が届くようにするというやりがいのあるお仕事です。
福祉用具専門相談員の具体的仕事内容とは
福祉用具専門相談員は利用者に福祉用具を選び、使い方を教えます。主に販売・貸し出しの時にアドバイスをしてあげることになります。
また、利用者がうまく利用できるような手伝い、調整もしてあげます。
福祉用具を貸し出す・販売する段階の仕事
福祉用具を貸し出す際に、利用者の自宅に訪問して、本人やご家族との面談を行います。そうして、利用者の心身の状態、生活環境から、道具を使うことで解決できる課題を考えていきます。
また、福祉用具を利用する計画(福祉用具サービス計画)というものを立てます。福祉用具サービス計画とはどんな人がどんな目的で利用するのかをまとめるものです。
そして利用者の家族にも交付するものになるので、難しい用語で埋め尽くさないような心遣いが大切です。
かかる料金や使い方などをしっかりと説明して、相手にしっかりと同意を得ることが必要です。
導入段階・導入後の仕事
福祉用具専門相談員利用者の状態や環境に合わせて福祉用具の調整もすることになります。せっかく道具を使って生活しやすくしようという場面。相手に合わせた調節が大事です。
しっかりと調整を行わなかったことで逆にケガを呼んでしまうこともあります。そうなっては本末転倒。調整の仕事はとても重要な業務です。
また、福祉用具専門相談員は使い方に関してもしっかりとした説明もしていきます。必要だったら利用者・またその家族に用具を使わせながら指導をしていきますよ。
また、利用が開始された後も定期的に利用者の自宅を訪問することになります。福祉用具の利用状況、用具利用の目的達成具合の確認を行います。この仕事を「モニタリング」と言います。このモニタリングの結果は、利用者本人だけでなく、ケアマネや訪問介護員との情報共有にも役立てられます。
福祉用具専門相談員の仕事は他の業務と兼ねることが多い
福祉用具専門相談員としての仕事は、計画書の作成やモニタリングだけではない場合が多いです。
たとえば、福祉用具専門相談員のイメージとして強い福祉用具貸与・販売事業所で働く場合。その場合は営業の仕事も同時にすることになることがあります。
また、介護施設で働く場合は介護職と兼任していることが多いです。
新規利用者獲得の営業の役割を担うこともある
福祉用具貸与・販売事業所の福祉用具専門相談員として働く場合。その場合は、新規顧客の獲得や新商品の紹介なども行うことが多いです。一般的に営業と呼ばれる仕事ですね。
利用者との面談やモニタリングの予定がない場合は、外回りで営業先を回ります。近隣の居宅介護サービス事業所や、介護施設を巡回して、情報を収集していきます。そして、需要がある場合は福祉用具を紹介する、というわけです。
営業の仕事をする場合は、普通の営業のように販売ノルマが課せられることもあります。しかし、ノルマに関しては事業所によって大きな違いがあります。ノルマが課されない場所ももちろんあります。また、ノルマがあったとしても周りの職員や利用者との関係性を大事にする業者の方が多いようです。
施設の場合は介護職と兼任することが多い
介護施設で働く福祉用具専門相談員の場合は、介護職と兼務して仕事を行っていきます。
食事が自分でしやすいスプーンやフォークの導入や、入浴用リフトのメンテナンス。また、それらの道具だけでなく、杖や車椅子の衛生管理も行っていきます。
職員対象の福祉用具研究会への参加も仕事の内です。また、施設から出られる利用者・そのご家族の方に福祉用具の準備・指導をすることもあります。
これだけの仕事を介護職の仕事と兼ねてやっていきます。福祉用具専門相談員の業務につく前に「資格手当がつくのか」「どの業務を行うのか」の確認をしておきましょう。
福祉用具専門相談員とはやりがいがある仕事
福祉用具専門相談員の仕事をもう一度整理すると以下のとおりです。
- 利用者の家に訪問・面談
- 福祉用具の選定
- 使い方の説明
- 福祉用具サービス計画の制作・導入同意を得る
- 用具の調整
- 営業
- 介護
見て分かるように、仕事は多岐に渡ります。以上の仕事をする上でのもちろん知識も必要になります。それだけでなく、用具は常に開発されています。常に勉強が必要になるような仕事です。
しかし、被介護者、介護者の負担軽減において、福祉用具の利用はマストです。困っている人を助けられる意義深い仕事でしょう。
今後、介護ロボットなどが導入されていく上で、どんどん需要の増える仕事だとも言えます。興味のあるかたは、資格の取得・転職も視野にいれましょうね。