作業療法士ってどんな職業?仕事内容となり方を紹介 作成日:2017.10.25
最終更新日:2019.10.31
作業療法士ってどんな職業でしょうか。
理学療法士は知っているけど作業療法士は知らないという方や両方とも知らないという方多いと思います。
作業療法士とは、Occupational Therapist、略してOTと言われています。
理学療法士と同様に、少子高齢化が進んでいる日本において非常に需要が伸びている職業であるといえます。
つまり今後さらに身近となる存在であります。
そんな需要が高まっている職業とはどんなものなのでしょうか。
理学療法士との違いも含めて仕事内容や必要となることを見ていきましょう。
作業療法士ってどんな仕事をするのだろう?
まず、理学療法士との違いについて紐解いていきましょう。
理学療法士は、寝返り、起き上がる、立ち上がる、歩くなど、日常動作ができるように身体の基本的な機能を維持、回復、予防するサポートを行う専門家です。
運動療法と物理療法を用いて、身体の機能や動作の回復を促します。
さらに、理学療法士と異なる点として作業療法士は、そううつ病や摂食障害などの精神病患者も治療対象としています。
作業療法士の仕事内容
主に、心身に障害を持つ人々が、日常生活、社会生活を再びスムーズにできるように心身機能の回復を促して身の回りのことを主体的に対処できるようサポートすることです。
医師の指示を受けて、患者の身体的活動、精神的活動、社会的活動、創作活動を通じて、社会復帰に向けたトレーニングや指導を重ねていきます。
多種多様な作業療法によって患者の機能を回復させていきます。
4つの向上を目的としている
1つ目は、関節の動きを円滑にし、筋力を増大させ、感覚機能を改善することによって日常生活に必要となる運動能力を高める、身体機能の向上です。
2つ目は、時間や物の把握、周囲の状況認識、動作の手順、患者が知的障害者の場合は、情緒面に働きかけ、感情表現の発達などの高次脳機能の向上です。
3つ目に、食事、入浴、着替えといった身の回りの動作や家事動作の訓練、手工芸、粘土細工、楽器演奏によって機能向上を図るといった生活技能の向上です。
4つ目には、社会に適応できるよう、問題解決能力、学習能力、対人関係能力についてロールプレイなどを通じて向上させることです。
厳しい試練を乗り越えろ!
作業療法士は、国家試験を受けて国家資格を取らないと就けない職業です。
国家試験、国家資格と聞くとすごく大変そうですよね。
何も知らない状態で飛び込むのは非常に危険だと思います。
そこで、作業療法士として、働くまでに必要となることをまとめておきましょう。
国家試験を受けるために
国家試験を受けるためには、作業療法士のリハビリ専門学校及び大学で3年または4年学び卒業することが必要となります。
ゆっくり時間をかけて専門知識を学びたい方は4年制の学校、早く現場に出てその中で成長していきたい方は3年製の学校を選ぶといいですね。
作業療法士になるために学ぶことができる学校養成施設は2014年度で182校あります。
そこでは、医学的な基礎知識や作業に関する専門知識、福祉に関する知識、社会学・心理学的な知識などさまざまな知識を身に着けます。
複雑で正解というものがない心に関わる仕事となるため、いろいろな知識が必要とされるのですね。
各養成校を卒業することで国家試験受験資格が得られます。
国家資格を取って作業療法士になる
作業療法士の国家資格を得るためには、理学療法士および作業療法士法第10条の規定によって、施行される作業療法士国家試験にて合格しなければなりません。
試験日は、2月の2日間に渡ります。
それぞれ、筆記試験と口述試験及び実技試験となります。
筆記試験の試験地は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県とさまざまですが、口述試験及び実技試験は東京都だけでの開催となります。
合格者の発表は試験日より約1ヶ月後となります。
尚、2016年の作業療法士国家試験の合格率は全体で87.6%でした。
決して低い値ではありませんが、年によって変動し、70%台まで落ち込んだ年もあるので気を付けましょう。
やりがいのある仕事、作業療法士
作業療法士は、医療関係の仕事であるため、勤務地によって異なりますが初任給は高いと言われています。
しかし、理学療法士と同様にそのあとの昇給の幅が小さいようです。
また、勤務先としては、介護施設も多々あるため、そういったところでは、給料がいいとは言えないところもあります。
そのため、高給料を目指す人にとっては初任給が重要となるようです。
また、医療福祉関係の現場である患者との距離は非常に近いです。
働く人は、患者と直接喋ることでき、治療経過も分かるのでやりがいを感じながら働くことができるみたいですね。
やりがいを深く感じられるこの仕事は、今後需要が伸びると言われている一方で、人気が高まり供給も伸びるかもしれません。