介護派遣の特徴とよくある悩み 作成日:2017.09.20
最終更新日:2019.12.24
現在日本の高齢化が止めようのないところまで進行してしまっているのは、多くの皆さんにとっては常識だと思います。
現在の数値のまま推移していくとすると、2025年に日本は国民の内3人いれば1人が65歳以上という時代がやってくるといいます。そのような時代では求められる職業も変わってきます。
需要の増加が見込める職業の1つとして介護職が挙げられます。高齢者が増えるため、介護が必要になるのは当然ですよね。
そのような社会の中、介護需要に対応していくために、介護職の働き方も昔に比べればかなり多様化していると言えるでしょう。
派遣の介護職の派遣労働も、多様化した労働の形の1つです。
しかし介護職の派遣労働には多くの悩みが付きまといます。
今回は介護職の派遣と非常勤、正社員の違いから、多くの方が抱える悩みまで紹介していきたいと思います。
介護派遣と非常勤、正社員の違い
さて皆さんは介護派遣と介護施設の非常勤、正社員の違いについて今すぐ説明することができるでしょうか。
「労働時間の違い」「労働期間の違い」「出勤日数の違い」「責任の重さの違い」いろいろと思い浮かぶことはあるかもしれません。
しかしいまだした例は全て、労働条件の違いにより結果的に生じているだけの違いであり、介護派遣と介護施設の非常勤、正社員の違いを正しく説明したものではありません。
介護派遣とその他の労働者との違いは雇用主が異なることです。介護派遣は派遣会社が雇用主であり、労働条件などをきめるのは派遣会社です。
しかし非常勤や正社員は雇用主が実際に介護を提供している会社です。当然労働条件を決定するのもその会社となります。
まずこの違いを正しく認識しましょう。
介護派遣の光と影
派遣の雇用形態の特殊性を理解していただいたところで、次に介護職の派遣のデメリットについて説明していきます。
まず介護職のメリットとして時給が高く、労働スタイルが比較的自由に選択できるという点があります。
「正社員の方が、時給が高くなるんじゃないの?」という疑問はあるかもしれませんが、介護職の派遣が、時給が高くなることには理由があります。
介護職は現在、常に人手不足な状態にあります。そのためもし退職やケガなど、なんらかの理由で介護人員に穴が開いてしまった場合、それらの穴を緊急に埋める必要があります。
よって多少割高でもすぐに介護職員を用意してくれる会社に依頼するというわけです。
介護職派遣のデメリットとして、福利厚生が正社員に劣ってしまう点があります。よって長期勤務が前提の場合、正社員として労働することをおすすめします。
さらに派遣は即戦力を期待されているので、仕事ができなければ切られる可能性があります。心理的なデメリットとしては正社員に「派遣だから」というあいまいな理由で下に見られる、仲間と思われないなどという点もあり、いろいろな悩みがありそうです。
よくある悩み
介護派遣労働者の悩みということで具体的にあった事例を紹介していきたいと思います。
仕事ができても正社員に見下されてしまう
前述しましたが介護派遣労働者の悩みとして、立場上正社員に心理的ハンディキャップがあり、正社員に見下される、というものがあります。
その結果、仕事の技量、スピードなどでは正社員に比べて明らかに勝っているときでも、リーダーになることはできず、自分から明らかに仕事において劣っていると分かってしまう人の指示で動かなくてはならない場合があります。
指示が的確なら「仕方ない」で済みますが、指示に納得が行かない場合は反論したいですよね。しかし反論すると介護派遣労働者の場合「派遣のくせに」と正社員に言われてしまう、なんてことも残念なことにあるようです。
派遣につらい仕事が回りがちになる
もう1つ悩みの事例を挙げておきましょう。介護現場は言わずと知れた肉体労働の現場です。介護する体力が続かず、やめる人がいるという理由もここから来ていますよね。ここでも派遣という立場上の心理的ハンディキャップが原因で問題が起きやすいです。
あなたが介護の仕事を職員に割り振る権限があるとすれば、正社員と派遣労働者、どちらに面倒な仕事を渡すでしょうか。当然平等に負担を求めるのが正しい形です。
しかし実際、そうはならない現場があるのも事実なようです。「派遣の人を使って正社員の人には少し休んでもらおう」そう考える介護管理職がいて、派遣という立場から断れない、意見できない状況で、大量に仕事を振られるなんてこともあります。
このように派遣という立場に起因する問題というのは多く発生してしまっているようです。そのため介護職の派遣労働を考えている方は、以上のようなデメリットを理解した上で、メリットと比較して検討することをおすすめします。
介護派遣労働者の悩みと現状
高齢化が歯止めのかからないところまで進行してしまっている日本、この現状において介護職の需要はさらなる高まりを見せています。
その流れにつれて、介護派遣労働者という労働の形も増えました。どんなものにもメリットとデメリットが存在するように、介護派遣労働者にも良い面もあれば悩みなどの悪い面もあります。
仕事を決める上では、まず情報収集を入念に行い、メリットとデメリットを比較検討した上で、自分の納得のいく苦労を選んでいきましょう。