介護職を円満退職する方法!準備から伝えるタイミングまで 作成日:2017.07.12
最終更新日:2019.11.12
介護職は体力的にも精神的も大変な仕事です。
劣悪な労働環境や険悪な人間関係などがあれば退職を意識することもあると思います。
もちろん、退職の理由としては、家庭の事情などもあります。
しかし、辞めようと思っても「どうすればスムーズに辞めることができるのかわからない!」という方が多いですよね。
今回は、介護職員のかたが円満退社する方法について紹介していきます。
介護職の離職理由
現時点で介護職員の数は不足している状態が続いています。
それに加えて、その不足数の割合は年々増加することが想定されています。
厚生労働省は2025年度には75歳以上の後期高齢者が日本の全人口の18%を占めるであろうことを発表しました。
また、その影響で要介護者の数も増加していき、介護職員の数が全国で38万人不足するともしています。
そんな人材不足にあえぐ介護職。離職率の高さがその介護職不足を加速させてしまっています。
円満退職について知る前に、一般的な介護職の離職理由についても触れておきましょう。
給与の安さへの不安
厚生労働省が発表した25年度のデータでは福祉施設で働く職員の平均給与は307万円となっています。
もちろんこれは平均であり、働く介護施設によってこれよりも良い給料のところもあります。
しかし、全体的に見てみると重労働な割には安月給だから不満だという介護職が多く存在しています。
もっと高い給与の職業に転職するために、介護職を辞める決意をする人も少なくはありません。
人間関係に疲れてしまった
介護職員の悩みの種として大きいのが、職場や利用者の方との人間関係が良くないというものでした。
やはり、体力的にも精神的にも疲れる仕事なので、余裕がなくなってしまう方も少なくないのかもしれません。
陰口や陰湿なイジメがある職場も少なくなく、離職のきっかけに直結してくると思います。
また、精神的に参ってしまい介護職そのものも辞めてしまう方もいます。
ただでさえ少ないのに、人がいなくなってしまうという良くない状態になりかねません。職場が合わないと思ったら早めに転職を考えましょう。
介護職員の人が円満退社するための準備
前述したような給料面での不満や職場の人間関係、それ以外の様々な理由から辞めることを決意したらつぎになにを行うべきなのでしょうか。
どうせ辞めるなら円満退社したいと思う方も多いと思います。
ここでは辞めることを決めた後にするべきことについて説明していきます。
離職の意思を固める
離職の意志を固めるというのは非常に簡単そうですが、意外と多くの人ができていません。
職場をでることは入社するよりも難しく、精神的にものすごく疲れます。
転職活動に尽力するために、今一度辞職の気持ちを固めておきましょう。
介護職不足の介護施設では、辞めると伝えたらほぼ間違いなく引き止められます。場合によっては、「不満があるところは改善する」と泣きつかれてしまうかもしれません。
本気で職場を離れたいなら、そんな相手を突っぱねてでも、やめるという意志を貫く必要があります。
気持ちを固めてしっかりと対応することが大切です。
転職先や辞めた後の予定を先に決める
気持ちを固める意味で一番効果的なのは、先に転職先を決めてしまうことです。
転職先から内定がでれば、なにがなんでも今の職場を辞めなければならないという気持ちになります。
有給消化の際の旅行の予定を立てる、引っ越しなど大きな予定を立てることにより絶対に辞めるという気持ちが増します。
ここで注意しなければならないのがあまり急いで予定を入れたり、転職してはいけない、ということです。
最低でも3か月後くらいにしましょう。
急に辞めて波風立てるのではなく、円満退職してなるべく周りに迷惑をかけないのがベストです。
理由は愚痴にならないよう具体的に
辞めることを伝えたら必ず聞かれるのが退職理由です。
職場や人間関係の不満が理由でも、一応はお世話になった施設。直接的に伝えるのはあまりよくありません。
職場の改善を約束されたり、苦手な人に話をするなどと言われ、辞める理由を失くそうとします。
また、理由を伝える時はできるだけ具体的に述べるようにしましょう。
一口に家庭の事情と言っても詮索されます。親の介護、結婚、子育てに専念したいと言ったほうがいいでしょう。
同様に、キャリアアップのためなどとぼんやりしたことを言うよりも、自分のしたいことができる転職先が決まったなど、すでに行動をしていることを伝える効果的です。
伝えるタイミングを知って円満退職する
円満退職をするには、離職を伝えるタイミング<も重要でしょう。
職を離れることを伝えるタイミングは3か月前がいいです。
遅くても1か月前には伝えるようにしましょう。
労働基準法では最低でも2週間前には届を出すように定められています。
しかし、後任の人を探すことや引継ぎの資料作成を考えて1か月から3か月前に伝えるようにしましょう。
伝えるタイミングとしては終業後に上司に「今よろしいですか?」と切り出すのがベストです。
自分の辞める準備がしっかり整い職場の状況が落ち着いていたら良いタイミングといえます。
明確な時期を指定してスムーズに辞める
後任が見つかるまで働いてとお願いされた場合、辞職する気持ちが揺らいでしまうものです。こういった場合はどうすれば良いでしょうか。
このような場合は、「何月何日までは頑張ります。万が一後任が見つからない場合でも、漏れのない引継ぎ資料を作成します」と辞職の気持ちが固いことを伝えましょう。
円満退職のことを考えると同情すると辞めるタイミングを失ってしまいます。
また、引継ぎは辞める人の仕事なので大変だとは思いますが完璧にして職場への迷惑を最小限にしましょう。
円満退職するカギはしっかりとした計画
ここまで、最近の介護職の現状から、円満退職をするためのフローを説明してきました。
円満退職するうえで一番大切なのは事前準備です。
介護職は施設によって待遇や給料に差があるので自分に合った職場を見つけるようにしましょう。ぼーっとしていても良い転職先を見つけることはできません。
家の近くの求人情報を細かく見てみたり、自分から調べていくことが大切です。
もし時間がなかったら、転職エージェントに登録して自分の希望に合う求人を探してもらってもいいかもしれませんね。
これから、どんどん需要の増えていく介護職を続けていくうえでより良い労働環境、より良い人間関係で働くことをめざして、まずは円満退職ができる一助になれば幸いです。