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介護におけるキャリアアップ助成金ってどんな制度?

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介護におけるキャリアアップ助成金のイメージ

みなさん、キャリアアップ助成金という言葉聞いたことありますか?

労働環境の改善、非正規雇用などのキャリアアップ促進を目指して国が支援する助成金です。

実はこの助成金、介護施設にも給付されています。

そこで今回はハードワークと言われ人材不足気味な介護施設におけるキャリアアップ助成金の実態について探っていこうと思います!

介護業界の実態からキャリアアップ助成金の必要性を説明

少子高齢化が進む現代社会。ますます増える介護職の需要。

しかし介護職は人材不足である、というのが現実です。

どうして人が足りないのか。まずは業界の実態に迫っていきます!

福祉業界の実態!

日本の将来を考える会議、日本創成会議では、「2025年には全国で40万人を超える人々が、必要な介護を受けられなくなる」という見解が示されました。

現在介護に従事する職員は約160万人。しかし、国の試算では、2025年には職員が232万~240万人も必要とされています。

介護福祉業界はどうして人材不足なの?

こんなにも需要がある業界。将来性はありそうですよね。

どうして人が集まらないのでしょうか。その理由をいくつか挙げていこうと思います!

  • 生産年齢人口の減少

    最も大きな要因はいたってシンプル。ずばり「少子高齢化社会」の影響です。

    1970年代前半の第二次ベビーブーム以降、年々出生数は減少してきています。現在はピーク時の半数くらいです。

    少子高齢化は労働人口にも影響を与えます。日本は今、介護が必要な高齢者が増え、介護をする労働人口が減少しているのです。

  • 定着率が悪い

    介護職の離職率は大変高く、ここ数年は16%台で推移しています。

    労働に見合わない賃金や、人間関係などを理由に介護職を離れる人は後を絶ちません。

  • イメージの悪さから採用が難しい

    介護職に対するネガティブなイメージの蔓延により新卒採用が難しくなっている部分もあります。

    採用が難しいと、必然的に人は増えません。

こうしたさまざまな要因が人材不足に追い打ちをかけています。問題を解決するために政府はどう動いているのでしょうか。

政府の政策方針

上記したような人材不足問題を解決するために、政府はさまざまな手を打っています。ここではその政策をいくつか見ていきましょう。

厚生労働省は平成27年度補正予算案の中で介護人材確保のための3つの柱を提唱しています。

  • 人材の呼び戻し

    これは「一度離職してしまった人にたいして準備金の貸し付けを行う」というものです。また、再就職後2年間働き続けると、準備金の返済が免除されます。

  • 新規参入人材の促進

    これは介護職を目指す学生を増やすことを目的に学費の貸し付けを行う、というものです。これもまた5年間職を全うすれば返済は免除されます。

  • 定着促進

    離職する理由としてあげられるものに低賃金、酷な労働環境、身体的不調、将来性に対する不安が挙げられます。

    こうした問題を解決するために国はキャリアアップ助成金を事業主に給付したり、ロボットの導入を促進したりしています。

この中のひとつの制度として、キャリアアップ支援金があるのです。

キャリアアップ助成金とはなに?基本的な情報をお伝え

先程少し触れたのですが、ここではこれからの介護業界の鍵を握るであろうキャリアアップ助成金について詳しく見ていきたいと思います!

キャリアアップ助成金の基本情報

まず始めにキャリアアップ助成金とは非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するために、国が支援する助成金のことです。非正規労働者とは、短時間労働者、有期契約労働者、派遣労働者などを指します。

施行段階では3コースでしたが、平成29年度4月1日から8コースになりました。

ここでは介護職に大きく関わりのある3つのコースについて見ていきます。

  • 正規雇用等転換コース

    これは有期契約労働者を正規雇用等に転換、もしくは直接雇用した際に給付されるものです。条件によって30~50万円の助成金が給付されます。

  • 短時間正社員コース

    これは労働者を短時間正社員に転換・新規雇用いれした場合に助成金が給付されるコースです。一人あたり20~30万円の助成金が給付されます。

  • 人材育成コース

    これは有期契約労働者などに一般職業訓練、有期実習型訓練を行った場合に助成金が給付されるコースです。1時間あたり700~800円給付されます。

これらのコースは福祉業界でも多くの事例が存在します。

キャリアアップ助成金活用の一例

ある企業では資金力不足により非正規雇用従業員の育成も難しく、人材不足に悩まされていた。

そこでキャリアアップ助成金の人材育成コースを利用し、介護保険制度の理解実務能力向上を目的とした訓練を実施。

その結果、ニーズとも一致しておりサービスの向上につながった。また、訓練終了後に正社員へ登用したことでモチベーションアップにもつながった。

このような事例も実際にあるので、キャリアアップ助成金はなかなかいい制度だといえますね。今後もどんどん例が増えていくといいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なかなか難しい助成金ですが、うまく利用することで離職に歯止めをかけられるだけでなく職員の新規参入にもつながります。

またキャリアアップが職員のモチベーションアップにつながり、サービス、生産性の向上にもつながります。

キャリアアップ助成金をうまく利用することが今後の介護業界の鍵を握るのではないでしょうか。

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