老人保健施設はどんな仕事をしてるの? 作成日:2017.09.20
最終更新日:2019.10.31
介護職で施設選びに迷っている方に今回は老人保健施設について紹介したいと思います。老人保健施設とはどんな施設なのか、老人保健施設で働く人はどんなお仕事をしているのかについてまとめてみました。是非参考にしてみてください。
老人保健施設とはどんなところ?
老人保健施設とは、病院と自宅の中間的な機能を果たす施設として設けられている公共の介護施設です。
入居者が在宅復帰ができるようにサポートすることが介護老人保健施設の役目であり、理学療法士などのリハビリ専門スタッフによる機能回復訓練を受けることができます。
病院へ入院するほどはないけど、自宅での生活に復帰するためにはリハビリが必要である方向けにあります。
入居対象者の条件は、65歳以上で、要介護1以上の介護認定があることとなっています。
短い期間利用されることが多い施設
医師や看護士も配置あれ、医療サポートが充実している介護老人保健施設は、新たな老人ホームを見つけるまでの期間の住まいとして、自宅復帰をするための準備期間として利用することが多いようです。
介護老人保健施設では、在宅復帰を目指すためのリハビリテーションや在宅介護生活を送る方のためのショートステイ、デイケアなどのサービスが受けられる介護施設です。
充実したリハビリテーション
介護老人保健施設の最も大きな特徴は、医療ケアとリハビリテーションが充実していることです。
施設サービスでは個別に介護プランを立てて作業療法・理学療法などのリハビリに加えて、自宅復帰後にも自宅で自立した生活を送れるように車椅子の乗り降りや歩行器や手すりを使った歩行訓練なども行われます。
その他にも、日常生活での食事や入浴などの生活支援、医療ケアなどのサービスを提供しています。
リハビリ専門スタッフの配置が務付けられている
また、介護老人保健施設では、作業療法士や医学療法士などのリハビリの専門スタッフが入居者100人あたり1人以上の配置が義務付けられています。その他の介護施設では、このように作業療法士や理学療法士などの人員配置が義務付けられておらず、介護老人保健施設でのみ定められています。そのため、通所リハビリ(デイサービス)を受けることが可能となっています。
2006年から新たなリハビリの一つとして認知症患者向けの認知症短期リハビリの提供を始めました。最初は、軽度患者のみでしたが、徐々に中度・重度患者も対象とし、認知症改善に向けたリハビリテーションの提供がなされました。
老人保健施設での仕事がどんな感じなのか?
老人保健施設では、バイタルチェックや服薬管理などのケアが必要となるので、看護師も勤務しています。バイタルチェック、服薬管理、利用者の観察、医者との仲介役、病院への付き添いなどがあります。病院勤務の看護師なら点滴などの医療行為を毎日行っていますが、老人保健施設の場合は、医療行為を行うことはほとんどありません。健康管理がメインとなります。他のスタッフと協力しながら食事や入浴、排泄のサポートも行います。
非常勤が多い!日勤が多く働きやすい施設
勤務形態は常勤ではなくパートなどの非常勤が多いです。求人を見る際は正職員として採用されるかどうかもチェックしておく必要があります。
また、夜勤よりも日勤が多いので給料は病院勤務の看護師よりも低い傾向にあります。経営状態の良い老人保健施設だと、待遇が良く給料も悪くないことがあります。
1日のスケジュール
とある老人保健施設の1日のスケジュールは以下のような感じです。
6:00 起床 利用者への起床介助
7:00 朝食、利用者への食事介助、看護師による服薬投与
8:00 介護スタッフによる排泄援助と口腔ケア
9:30 看護師による検温
10:00 介護スタッフと看護師による午前の入浴、作業療法士や理学療法士によるリハビリテーション
11:00 医師による回診、介護スタッフによる排泄援助
12:00 昼食、介護スタッフによる食事介助、看護師による服薬投与
13:00 介護スタッフによる排泄援助と口腔ケア
14:00 介護スタッフと看護師による入浴援助、作業療法士や理学療法士によるリハビリテーション
15:00 水分補給とおやつ
15:30 介護スタッフによるレクリエーション、集団リハビリテーション
17:00 介護スタッフによる排泄援助
18:00 夕食、介護スタッフによる食事介助、看護師による服薬投与
19:00 介護スタッフによる就寝介助
21:00 水分補給と服薬投与
※夜間に巡視と排泄援助、体位変換などの仕事もある
老人保健施設で働く上での注意点とは?
介護専門の求人サイトも近年充実しています。
老人保健施設は介護士や作業療法士、理学療法士、看護師同時が連携して業務を行うことが多いので求人を見る際も、他の業務にこだわらずに協力できる人材が好ましい傾向にあります。
それぞれの職種の人がよく絡むだけに、看護師と介護士の対立などよくある光景だそうですので、柔軟に対応できる適応力とコミュニケーション能力がある程度身につけていた方が良さそうです。