介護士?ヘルパー?違いってなに? 作成日:2017.06.13
最終更新日:2019.10.18
まずは、介護士という言葉から話したいと思います。
介護士というのは正式名称ではないため、介護職員全体を指すときもあれば、ヘルパーだけの時も、もしくは介護福祉士を省略して読んでいるケースもあるようです。
なので、必ずしも介護士=介護福祉資格を持っているというわけではないようです。
この記事では介護福祉士の省略として使っていきます。
ヘルパーとの違いは民間資格か国家資格か
では、両者の違いについて書いていきます。
簡単に言っちゃえば、ヘルパーは民間資格、介護士は国家資格という点で大きく異なります。
そうすると、次に疑問に思うのは、民間資格とか国家資格って聞いたことはあるけど何が違うの?と思う人が現れることでしょう。
民間資格というのは、民間や企業が独自に審査基準を設けて資格として与えているものです。
その資格には国が定めるものと匹敵するくらい認知されているものから、あまり知られていないものまで多く様々な資格があります。
一方、国家資格というのは国が審査基準を定めている資格のことなのです。
ということは、介護士とヘルパーの違い端的に言ってしまうと国が認めているか、民間が認めているかという点にあると言えます。
介護士の資格は取りにくい
まず、取得方法から。
養成学校を卒業すれば民間資格であるヘルパーになることができます。
そこには、介護職員初任者研修とそれの上位である、介護福祉士実務研修という2種類が存在します。
一方介護士は厚生労働省が定める養成校を卒業するか試験に合格しなければなりません。
両者ともきちんと学ばなければならないので大きな差はないようです。
しかし、一般的には介護士の資格を持った人がホームヘルパーとして勤務すると、介護福祉士実務研修とほぼ同じランクとしてみなされます。
つまり、国家資格である介護士のほうが評価は高いのかな?という印象を受けます。
また、介護士の資格を得るほうが時間を要することなどからも取得が多少難しいのかと思われます。
介護のスペシャリスト、介護士
次は、仕事内容の違いについて。
上でも話したように介護士のほうが取得しづらく評価が高いことから、仕事にも違いは出てきます。
しかし、介護という面においてそこまで多くのちがいはありません。
ただ、介護士の人はリーダー的なポジションに立ち、指揮をとったり、指導をすることができるという点においては違いがあります。
そんなことから、ケアワーカーともいわれることもあります。
しかし、経験値が大切だったりすることから正直違いがはっきりしないというのも事実です。
どうせなら介護士に
わざわざ苦労してまで介護士の資格を取る必要はあるの?
ヘルパーの資格だけ取ってすぐ働いて経験をした方がいいのでないか?
などと思う人もいるのではないでしょうか。
たしかにそう思えてきます。
ただでさえ、人手が足りてないというのですからすぐに介護してくれる方が合理的に思えます。
しかし、そういうわけでもないのです。
資格をとるメリットとは?
まずは既に述べたように介護士の方が指示する立場にたつので、一応地位的には上にいるということ。
つまり、どんなに経験を積んで年が上でも介護士の方が上の立場であるということです。
それはもちろん、報酬や給与にも影響が出てきます。
具体的には、ヘルパーはパートで終わってしまって、介護士は正社員になることができる、なんてことが起こるようです。
そんなことから、介護士の方がヘルパーよりも優遇されるというのは明らかです。
また、ゆくゆくはこういった介護の仕事を、ホームヘルパーという資格を廃止し、国家資格に1本化しようという動きも見られます。
なので、この介護の世界にずっといようと思うのならば、国家資格を取るほうが望ましいのではないのでしょうか。
介護福祉士の資格をとって出来る仕事を増やそう!
ヘルパーには、訪問介護などで許されていない行為があります。
それは、医療行為です。
かつては道具を使った医療行為(体温を測る、爪を切る、ケガの手当など)ですら禁止され、介護の幅をとても狭くしていました。
しかし、高齢化に伴い規制はゆるくなり、一気に介護の幅が広がりました。
これから先、介護の幅はどんどん広がっていくことでしょう。
介護の幅の広がりにより、資格の重要性が叫ばれています。
国家資格である介護福祉士は、介護の領域だけではなく応急処置など、幅広く学びます。
だからこそ多くの知識を蓄えた人にならばちょっとした医療行為までをも任せることが出来るのです。
ぜひヘルパーだけで終わるのではなく、きちんと介護福祉士という国家資格を取得するというのも視野に入れておいて欲しいです。