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地域包括ケアシステムを超わかりやすく簡単に説明!

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地域包括ケアシステムとはつまるところ何?具体的に解説

少子高齢化が進む中、国はどんどん高齢化対策を進めています。

そんな中で打ち立てられたのが「地域包括ケアシステム」。

みなさんは、この「地域包括ケアシステム」をご存知でしょうか?介護業界で働いていたり、親族の介護などを行っていると、一度は耳にする言葉かもしれません。

しかし、実際にどんなものなのかわかっている人は非常に少ないのではないでしょうか?ここでは、「地域包括ケアシステム」とは何なのか、その実態をわかりやすくお伝えします!

地域包括ケアシステムって結局なんのこと?

要は各自治体で一丸となって高齢者を支えるシステム!

「地域包括ケアシステム」と言われると「なんのこっちゃ」と思いますが、要は「各自治体で一丸となって高齢者を支えるシステム」のことです。

地域の高齢者が自分らしい生活を送れるように、自治体で連携を取っていきます。

「地域」で「包括」して「ケア」する「システム」

地域包括ケアシステムは、「地域包括してケアするシステム」です。

ケアするのはもちろんお年寄りですよ。地域包括ケアシステムでは、以下のようなことをシステム化していきます。

  • その地域に相応しいサービスを実行する
  • 一連のケアサービスを一体的にする

地域包括ケアシステムは地域ごとに行われる

地域包括ケアシステムには「地域」とついていますね。

この名称に現れているように、地域単位で行う取り組みが、「地域包括ケアシステム」です。

国で行われていた介護・福祉事業が、地方自治体単位で行われることになります。

5つのサービスが1つとなり「高齢者を支える」ケアサービス

高齢者を支える上で必要な「ケアサービス」は、以下のようなものです。

  • 1.介護

    介護サービス全般

  • 2.医療

    かかりつけ医、看護、急性期病院、リハビリ病院など

  • 3.予防

    介護予防や保険衛生面など

  • 4.生活支援

    自立した生活を支える福祉サービス・地域交

  • 5.住まいと住まい方

    住まいの確保・賃貸の保証人の確保・空き家の活用

これらは今は別々のサービスとして独立して存在しています。

地域包括ケアシステムでは、これらのサービス一丸となって、細かく連携して行くこととなります。

地域包括ケアシステムではサービスを一体型にする

地域「包括」ケアシステムはその名の通り、サービスを包括的に行っていくことになります。

具体的には、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることになります。

イメージでいうと、「自宅(住まい)を拠点にした高齢者に対し、介護や予防、生活支援、そして医療分野が連携してサービスを行う」ということ。その連携を整備していくということになりますね。

キーワードは「自助」「互助」「共助」「公助」

「自助」「互助」「共助」「公助」という言葉をご存知でしょうか?地域福祉の推進にあたって「キーワード」として設定されているものです。聞いてみてもピンとはきませんよね。

  • 自助……自分が主体となり、自分を支えていくこと
  • 互助……制度化されていない近隣・ボランティア・NPOなどで相互に助け合うこと
  • 共助……制度化されている(費用の負担が決まっている)サービス。社会保険のような制度化された相互扶助のこと
  • 公助……以上で対応できない自体に生活保障を行うなどの公的サービス

これらが、地域包括ケアシステムの根幹となる考え方になるのです。

地域包括ケアシステムのメリット

値域包括ケアシステムのメリットは「高齢者が自分らしい生活を送れるようになる」こと。そして、「地域に合った体制がそれぞれ作れる」という部分です。

各地域で行うことにより高齢者がより自分らしい生活を送れる

「住み慣れた土地で過ごしてほしい」という思いでの制度作りになっています。

介護度が重くなり、長く済んでいた地域を離れるとなると、今まで通りとは行きません。実際に、認知症などの高齢者の症状は、環境の変化で悪化するというデータもあります。

高齢者が最後まで自分らしい生活をできるように作られている制度となります。

地域ごとに制度が変わるので相応しいサービスが受けられる

その地域によって作られます。その地域ごとに、高齢者の求めているものが違いますよね。

都会であれば、介護施設も人も多く、利用者が自分の力で心配なく過ごすことが可能です。逆に、地域の繋がりが深いわけではないので、地域の人で助け合って生活するのは難しいでしょう。

一方で郊外であれば、施設数が少ない分、利用するとなると不便です。しかし、地域での繋がりが深く、お互いで助け合ったほうが安心して生活をすることができます。

このように、地域によって介護サービスも形を変えていった方が便利、ということになります。

地域包括ケアシステムが必要な背景は?国の意図とは

2025年までに地域包括ケアシステムを日本が進めようとしていきます。10年もせずに実装しようとしているわけですが、どうしてここまで急ピッチでこのシステム完成をしたがっているのでしょうか?

地域包括ケアシステムは必要になった背景

地域包括ケアシステムが必要になった背景には、「日本の急速な少子高齢化」があります。

高齢者の人口は、2015年時点でなんと、総人口の27.3%を締めました。100人居たら30人近くが高齢者ということになります。2025年には30%以上になると言われています。

認知症の割合も増えている

高齢化の中でも、認知症の割合もどんどん増えてきています。

2012年の時点では、高齢者7人に1人の割合で認知症でした。しかし、2025年には5人に1人の割合になるといわれています。

増え続ける高齢者の中でも認知症の方が増えていく、というわけです。

地域包括ケアシステムは介護保険・施設の負担緩和に

現在の介護施設は、高齢者の増加によって、入所がどんどん難しくなっています。これは医療施設でも一緒です。

その対策案として期待されているのが「在宅ケア」なのです。

施設で完結するシステムから地域で完結するシステムに

今までは施設ですべての介護が完結していたので、その分施設への負担も大きなものになっていました。そこで「在宅」が中心となる地域包括ケアシステムへの期待が高まったのです。

高齢者の暮らしを自宅中心にすること。そして、地域で支えていくようにすること。そうすることによって、施設に負担のかかる介護の形が変わります。

最近ではこのシステムのために、デイサービスの充実や、訪問と施設の複合型事業所などもできてきています。

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地域包括ケアシステムの構築の流れは?

「地域包括ケアシステム」についてはなんとなく理解できた!

でも、地域包括ケアシステムをどうやって進めていくの?と疑問ですよね。

政府の取り決めでは、以下のような流れで進めるように決まっています。

  1. 1.地域の課題把握
  2. 2.社会資源の発掘
  3. 3.地域関係者による対応策の会議・検討
  4. 4.対応策の決定・実行

まずは課題を理解してから、地域内に何があってなにが無いかを確認していく作業をします。

その後、地域の関係者で「ケア会議」というものを開きます。ここでは、地域包括ケアシステムを進めるための策を練っていきます。

最後に、どうするか決めて実行する、というわけですね。

大まかな流れはわかったかと思いますが、以下で、もっと具体的に説明をしていきますね。

1、地域の課題把握

まず最初に、各市区町村単位で、住民のニーズを調査していきます。このニーズは高齢者の日常生活上のものです。

これによって、地域で暮らす高齢者がどんな課題に直面しているかがわかります。

また、「地域ケア会議」というものを開き、地域の支援内容についても調べていきます。それによって、現状の地域の課題の把握がもっと深いものになります。

2、社会資源の発掘

課題が明らかになったところで、医療、介護の分野での「担い手」を探していきます。

「担い手」というのは、「地域包括ケア」のサービスの担い手。つまりは、地域でケアしていく方々ということです。

主にボランティア団体や、NPO団体となります。他にも、商店や町内会など、手伝ってくれそうな団体を探していきます。

3、地域関係者による対応策の会議・検討

はじめの段階では調べて明らかにするために開かれていた「地域ケア会議」。第三段階では、課題の共有・検討をするために開かれます。

市町村レベルの地域ケア会議では、役所の職員など地域の関係者が参加します。

地域内で生じる課題をまずは抽出し共有します。その後に、発掘された社会資源を元に、具体的な策を考えていくのです。

4、対応策の決定・実行

地域ケア会議で検討された具体策が話し合いの上で決定しました。そうなったら、もう実行するのみです。

この実行計画ですが、「介護保険事業計画」というものに盛り込んで実行していくことになります。

介護保険事業計画とは、市町村の自治体が3年毎に制作するものです。

この計画を元に、介護の政策が実施されていきます。

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地域包括ケアシステムの実際の取り組み事例は?

東京・世田谷区の事例

世田谷区は、いわずもがな大都市東京の中でも、人口の規模が大きい場所。このように人口の多い地域だと、特に高齢化に対策を打っていかなければなりません。

世田谷区の場合、以下、5つの視点すべてからうまく取り組みを始めています。

  • 1.介護

    定期巡回の開始・訪問介護、看護の随時対応の推進

  • 2.医療

    在宅医療の推進

  • 3.予防

    高齢者の集える場所の提供・高齢者参加の創出

  • 4.生活支援

    自治体主体で地域活動の推進

  • 5.住まいと住まい方

    都市型軽費老人ホームなどの拡充

バランス良く取り組みをはじめることによって、地域包括ケアシステム先駆け的な存在になっています。

鳥取県・南部町の事例

東京と打って変わって、鳥取県南部町では、人口は少ないです。1万人程度の人口であある地域の特性を活かした地域包括ケアシステムへの取り組みを見せています。

それは、共同住宅の実現です。借り受けた空き家などの利用で、高齢者の共同住宅を確保しました。住まいの確保だけでなく、地域の交流・共同生活の機能を併せ持っています。

孤独になりがちな高齢者に対して、第三の住まいのあり方を目指しての取り組みです。

医療・介護の連携サービスや、地域住民が必要に応じて「見守り」「食事の提供」などの生活支援サービスも行います。

千葉県・松戸市の事例

千葉県の松戸市では、在宅医療支援の診療所による、他のサービスとの連携が行われています。

会議が定期的に開催され、医師や看護師・ケアマネやソーシャルワーカーが様々なことを話し合います。内容としては、以下のようなことです。

  • ケアマネが高齢者の生活状況や課題を報告
  • 医師から病状と治療方針の解説
  • 医師から介護サービスに関する助言
  • 看護師から訪問看護の報告
  • 看護師が診療所内の情報の共有化

この会議によって、医療・福祉間での患者に対する認識の統一が出来ています。また、チームケアの連帯感を増すことにつながっています。

医療・介護が一体的に行われている点で、地域包括ケアシステムの模範的な事例として上げることができます。

千葉県・柏市の事例

千葉県では、別の地域包括ケアシステムの取り組みも上げられます。

行政が事務局となることによって、医療系の専門化が話し合う体制を構築したのが、千葉県柏市です。

専門家というのは、医師会や薬剤師会、在宅栄養士会、訪問看護連絡介、歯科医師会などの医療専門家。そして、在宅リハビリ連絡界や地域包括支援センターやケアマネ協議会など、福祉の専門家含みます。

まずは話し合う場を設けて、医療・介護の在宅サービスについて、普及・啓蒙活動を積極的に行っています。

兵庫県・神戸市の事例

兵庫県の神戸市でも、同様に地域包括ケアシステムに対する取り組みが始まっています。主に「見守り支援」です。

地域の住民と、利用・介護分野の連携がとられています。

具体的には、地域の公園周辺に住民が集まります。そして、定期的に地域内の高齢者に関する情報交換を行うのです。公園周辺というのは、交番や商店などです。

住民の情報を聞き、異変に気がつくとすぐに医療・介護の専門家に相談をします。そして、スムーズな支援体制に入るのです。専門職への連絡役になるのは主に「地域包括支援センター」です。

見守り体制によって、高齢者への支援が強化されました。そして、振込詐欺を未然に食い止めた、という実績も残しています。

北海道・札幌市の事例

北海道札幌市では、行政と住民ボランティアが連携し、「除雪」の支援が行われています。雪の多い北海道では、除雪は生活の要。その支援を包括的に行うのも、地域包括ケアシステムの一環となります。

企画・立案を役所が行ったのち、社会福祉協議会が住民ボランティアを募集します。

地域に住む高齢者は支援を申し出ることにより、除雪サポートを受けることができます。

この取組では、地域の企業や大学などが自発的にボランティア活動を始める、という波及効果がありました。

地域包括ケアシステムの懸念点

すでに始まっている事例から、地域包括ケアシステムの懸念点を上げていきます。

地域間で格差が起きる

財源や人口・高齢者の割合によって、システム構築に大きな差が生まれる可能性が高いです。

各市区町村単位で地域包括ケアシステムに関する判断をします。となると、どうしても時間・お金・人に余裕がある場所のほうがシステム構築が進みやすくなってしまう可能性があります。

過疎化が進んでいる地域のリソース不足

過疎化が進んでいる地域では、「担い手」と呼ばれるボランティアの確保などが難しくなります。そのため、地域包括ケアシステムの整備自体が難しくなってしまいます。

「地域包括ケアシステム」がそもそも浸透していない

地域包括ケアシステム、と言われても、そもそも名前すら知られていません。

システムの構築には、住民の認知がなによりも不可欠。地域の人たちに知ってもらい、価値を感じてもらっていないことが大きな課題となっています。

「自助」「互助」の体制が整えられるか

最近では、近隣住民とのコミュニケーションが少なくなっています。そのため、以下に「互助」(お互いに支え合う)体制を作っていくかが重要になります。

また、低所得の高齢者が増加している現在。自分で自分を支える「自助」が、どこまで成立するかも疑問が残ります。

地域住民の助けがないと成立しない「地域包括ケアシステム」の中で、きっかけづくりが必要になっています。

医療・介護の連携に時間がかかっている

医療・介護の連携は、地域包括ケアシステムの柱です。しかし、まだまだ十分な体制は整っていません。夜間や早朝などは特に不十分といえます。

お年寄りがサポートを必要とするのは、当然昼間だけではありません。早急に医療と看護の連携体制の構築が必要になります。

国は地域包括ケアシステムの整備を2025年までに急ピッチで進めていこうとしています。

2025年の時点で、「ハイ!これからは地域包括ケアシステムです!地域で助け合ってね!」と言われても、上手く移行できない可能性があるのです。

国もそのあたりは実験を続けていくのでしょうが、実際にどうなっていくかはわかりません。

この制度の元に、介護難民、医療難民が生まれないことを願うほかありません。

地域包括ケアシステムは地域の包括的・総合的仕組み

地域包括ケアシステムは、高齢者だけではなく地域のすべての人にとって必要なシステムと考えていくことが大切になります。

子育て世代や障害者の方、そしてそのご家族など、多くの人が地域包括ケアシステムを今後利用していくことになります。

地域包括ケアシステムは、日本全国で画一的に進めるものではありません。地域独自に、本当に必要なシステムが構築できるかどうかは、自分たちの取り組み姿勢が重要になってきます。

行政・住民がともに自分のこととして、自分のまちづくりに積極的になれるかにかかっているのです。

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