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介護職のキャリアパス要件について解説

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介護職の「キャリアパス」と聞いて、ぱっと思いつくものはなんでしょう。

もう介護職員として働いている人の場合は、「処遇改善加算取得」に必要であるキャリアパス要件が思い浮かぶ思います。

しかし、中には、「そもそもキャリアパス要件って?」「なんのために必要なの?」と思われるかたもいらっしゃいますよね。

本記事では、介護におけるキャリアパス要件について詳しく説明していきます。

そもそもキャリアパスってどんなものを指すの?

そもそも、キャリアパスとは、昇進・昇格の道筋のことを指します。

一般企業でいうと、新入社員などのなんの役職もつかない社員から、係長、課長、部長という風に昇格していきますね。

この間にチーフや、業種によってはプロジェクトマネージャーなどが入ることもあるでしょう。

この道筋のことを、キャリアパスというのです。

この道筋を企業ごとでしっかりと定めることによって、国からお金が支給されるようになるのが「キャリアパス要件」です。


介護職の味方キャリアパス要件

そもそも、キャリアパス要件とは平成24年度に施行された介護職員処遇改善加算という制度を取得するための条件です。

1、2、そして、平成29年度に追加された3を満たすことによって、国から支払われる職員1人あたりの手当が増えます。

国から手当が貰うことができるようになり、従業員の給与のアップになります。

また、しっかりと道筋を認知させることによって、社員のモチベーションも上がって定着率もあがり、介護業界への貢献にもなるような、いい制度なんですよ。


1「介護職の役職や賃金を決めること」

次のイ、ロ及びハの全てに適合すること。イ 介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用 等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。

ロ イに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の 臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。

ハ イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備 し、全ての介護職員に周知していること。


なにが書いてあるのか噛み砕いて解説

要件1をわかりやすく読み砕くと、以下のようなことが書いてあります。

  • 介護職を雇用するときに、役職、役割、責任をしっかり決めていること。
  • 役職や役割に応じた賃金をしっかり決めること。
  • 役職、役割、責任、そして賃金に関することの規定を就業規定などの書面で整備すること。

以上のことを設定して、しっかりと整備して書面化することが示されているのが、1です。


2「仕事の質の向上を目指して、研修を行う」

要件2には、下に書くようなことが書かれています。

次のイ及びロの全てに適合すること。イ 介護職員の職務内容等を踏まえ、介護職員と意見を交換しながら、資 質向上の目標及び一又は二に掲げる具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。

一 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を 実施(OJT、OFF-JT 等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと。

二 資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇 の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。

ロ イについて、全ての介護職員に周知していること。

以上のことが書いてあります。


どんなことが書いてあるのかわかりやすく解説

2には、以下のようなことが書いてあります。

  • 介護職員の仕事を知った上で、介護職員と意見を交換する。仕事の質の向上目標と、以下に挙げるような具体的な計画を決める。計画に関係するような研修の実施する。または、研修の機会を作っていること。
    1. 質の向上のための計画に沿って、研修の機会を提供するか指導をする。また、能力の評価を行うこと。
    2. 資格を取得するための支援をすること。(シフト調整、休暇の付与、費用の援助等)
  • 以上について、すべての介護職員に知らせていること

要は、「介護職を理解し、話し合って目標を決めよう。研修を実施しよう。」

ということが書いてあります。

ここでいう目標は、利用者に求められているようなサービスを提供することなどが挙げられますよ。

このように、しっかりと計画を立てて介護職としてキャリアアップを図っていけるような支援をすることをすることにより、キャリアパス要件は満たされます。

3「具体的な昇給の要因を定める」

3は平成29年度に作られた新しいものです。

こちらには以下のように書かれています。

経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

この要件をわかりやすく噛み砕くと以下のようになります。

  • 経験、そして資格に応じて昇進する仕組みを設けること。または、定期的に昇給するか判定する仕組みを設けること。

要は、勤続年数や保有資格などの具体的な昇給、昇進要因を定めることと解釈することができるのです。

いままでは一般職員が何をすればいいのかの基準がわかりやすくするように、というものなんですね。


要件がしっかり満たされている企業に勤めよう

これらがしっかりと満たされている企業の場合、自分が働く上で非常にいいことがあることが内容を見るだけでわかると思います。

満たされている職場には、求人情報にも記載がある場合が多いです。

例えば、給料の欄に「※介護職員処遇改善加算含む」と書いてあるところの場合、満たされている証拠となります。

職員にとって得になるようなものが揃っているので、安心して勤められる求人だということができますよ。


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