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介護職の現状をレポート

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介護施設で折り紙で鶴を織る画像

高齢化が進むこの社会で介護職を取り巻く現状はいかに変化してきているのか。需要が増してきているので転職先として介護業界を考えていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるでしょう。

慢性的な人材不足が叫ばれている介護業界で大きな変化があったのか、実際に働いている人たちの現状を分析していきます。

介護職の就業形態や年齢などの現状について

介護職を取り巻く現状は現在どのようになっているのか。データ分析などを中心に迫っていきます。

まずは就業形態です。

平成25年度の介護職員の正規職員は56.7%、非正規職員が41.0%となっています。訪問介護員は正規職員が17.5%、非正規職員が79.0%となっています。またこれは訪問介護に従事する職員の方が人材不足に悩んでいる現状があります。

訪問介護員と介護職員との間で雇用形態の格差がずいぶんとあることがわかります。

次は年齢についてです。

  • 20未満:0.9%
  • 20~29歳:24.5%
  • 30~39歳:34.8%
  • 40~49歳:18.7%
  • 50~59歳:10.7%
  • 60歳以上:8.6%

働き盛りの20~40歳ぐらいの方がたくさん働いていらっしゃいます。ときより力仕事が必要な介護業界ですので妥当な数字と言えるでしょうか。

転職先の業界としても人気があるので40代の方も一定数いらっしゃいます。

次は採用について見ていきましょう。介護業界で働いている職員のうち新卒で採用されたし人は6.8%、中途採用として84.7%となっています。この新卒の採用率の低さが人材不足の一因です。

介護業界に新卒で入る人はあまり少なくやはり転職先として人気のようです(データはすべて「平成25年度介護労働実態調査」より引用、以下のデータも同じ引用元とする)。

介護職の給料・離職率の現状は

その業界の現状を分析するのに欠かせない給料と離職率。介護業界のデータを分析してみたいと思います。

賃金は伸びてはいるがまだ低水準

介護職の賃金はまだ低賃金であるといっていいでしょう。産業計の賃金データがあるので紹介します。

  • 社会保険・社会福祉・介護事業の平均月給:238,400円
  • 全産業平均の月給:324,000円

となっています(実際に手元に残る現金で算出)。

たいへん大きな金額の差があることがわかります。年収で換算するとかなりの格差になってしまいます。

次に初任給で比べてみます。

○19歳未満の平均初任給

  • 産業計:161,500円
  • 福祉施設介護職員(男性):156,200円
  • 福祉施設介護職員(女性)153,600円

○20~24歳の平均初任給

  • 産業計:192,000円
  • 福祉施設介護職員(男性):179,500円
  • 福祉施設介護職員(女性):176,400円

初任給を比較してみても他の業界との格差が浮き彫りです。この金銭面での低待遇が次の数字にも結びついてきます

やはり高い離職率

介護職の離職率(常勤労働者)は他の産業と比べてやはり高いです。

○常勤労働者の離職率

  • 産業計:12.4%
  • 介護職員:16.8%

○短時間労働者の離職率

  • 産業計:24.7%
  • 介護職員16.2%
常勤介護職員の離職率が高いことが読み取れます。原因としてやはり夜勤や残業、低賃金であることがいえます。これらに不満を持ってしまう方が一定数います。

一方短時間労働者の離職率が全産業に比べて低いことも伺えます。これも介護業界の特色です。

介護業界では夜勤などが多く、非常勤の職員は一回入るごとに手当などが支給されるので一晩勤務すると常勤の職員より稼げることもあります。

介護の非常勤は稼げるので低い離職率につながっているといえるでしょう。

介護事業所の現状はどうか?

介護職員が働いている介護事業所の現状はどうなっているのでしょうか。こちらも平成25年度の調査データをもとに見ていきます。

人材不足が年々深刻になっている

○訪問介護員が不足している施設の割合

  • 平成21年度:33%
  • 平成25年度:42%

○介護職員が不足している事業所の割合

  • 平成21年度:9.7%
  • 平成25年度:22.7%

データから人材不足が年々深刻になっていることがわかります。

人材が不足している理由として多くの事業所が挙げているのが採用が困難であること。募集している人数に対し希望者がやはり少ないようです。

転職市場で介護業界の求人情報が溢れていることからも分かるように慢性的な人材不足に歯止めがかかっていない現状です。

事業所ごとの職員数は形態ごとにばらつき

介護事業所の規模を表す従業員の人数を見ていきます。

○施設系(入所型)の従業員数

  • 5~9人:4.6%
  • 10~19人:19.1%
  • 20~49人:31.7%
  • 50~99人:30.2%
  • 100人以上:12.9%

○施設系(通所型)の従業員数

  • 5~9人以上:24.0%
  • 10~19人:39.3%
  • 20~49人以上:25.4%
  • 50~99人:5.1%
  • 100人以上:1.9%

介護職員の不足の中事業所の規模をでかくできないところが増えているようです。入所型は職員数が一定数必要なので人材の獲得に精を出しています。

介護職の現状は厳しいところもあるが間違いなく伸びる!

介護職の現状をデータから見てきました。給料面や離職率などまだ厳しいところがあるのが現状です。

しかし介護業界の需要がましてきているので労働条件の改善に企業も政府も必死になっています。実際に改善の兆しが見えています。

転職を検討している方は介護業界も視野に入れてみてください。

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