60代で介護職に転職する際のポイント 作成日:2017.07.20
最終更新日:2019.12.24
定年退職をした人や子育てを終え自分の時間を持てた人の中には、老後の仕事として「介護職」を考えている人もいるのではないでしょうか。
近年は60代~80代のシニア世代の介護職従事者も増えています。
しかし、シニア世代になると、介護職へ転職することに対する不安も多いかと思います。介護職に転職する際のポイントと注意点を紹介します。
60代でも介護職への転職は可能なのか
60代~80代のシニア世代でも、介護で問題なく働くことが可能です。
介護を行う時に、法律上の年齢制限はなく、だれでも介護職に働くことができます。最近では、シニア世代を対象にした介護求人も増えているのです。また、資格がなくても、介護職で働くことができます。
ただし資格がない時は、食事の準備から洗濯や掃除、買い物さらには、話し相手など生活援助に該当する範囲までしか働くことができません。
食事の補助・入浴補助といった、本格的な介護となる「身体介護」を行う場合は(訪問介護もこれに該当)、「介護職員初任者研修」以上の資格が必須です。
資格にも年齢制限無し
しかし、介護職員初任者研修の資格も特に年齢制限はないのです。シニア世代でも問題なく取得可能です。この資格をとることができれば、シニア世代でもすべての介護業務を任されます。また、介護職が未経験の場合、60代で正社員になるのは厳しいといえます。けれども、最近では、介護業界が60歳の定年退職を廃止しようとしているので、60代からでも正社員になれるチャンスはあるといえます。
60代で介護職へ転職するメリット
60代になって、介護職で働くメリットはなにがあるのでしょうか。
介護を受ける方は、基本的に高齢者なので、若い人が対応している時に、会話や考え方があわず、衝突し、意見が噛み合わないことが考えられます。
もし、介護をする方が、介護をしてもらう人と年齢が近いならば世代間の違いが少なく、会話も噛み合いやすいでしょう。
また長年の人生経験があるため、介護を利用する人としっかりと丁寧に向き合うことも可能であり、若い世代にはできないコミュニケーションが可能です。
介護を利用する人も安心して介護を利用できるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、コミュニケーションは介護職で特に重要です。同世代だからこその信頼関係を築くことができるといえます。よって介護職はシニア層に向いている職種ではないでしょうか。
日雇いの多い職場
また、日雇いも可能です。シニアの方達も働きやすいのではないでしょうか。パートやアルバイトで働くことが、できるのです。
介護職を行うのを、週に数回と決めるというのも、いいかもしれません。体力的に不安な方や介護未経験が不安な方は、短期の求人を探してみるというのも一つの手であるといえます。
短期から始めることで、職業に慣れることができます。その後に長期に変えてみるのも良いでしょう。
60代で介護職へ転職するデメリット
一方で、デメリットもあります。介護職は、やはり体力が必要です。場合によっては夜勤で働かなくてはいけないこともあります。車椅子を移動させたり、着替えさせたりする体力仕事がたくさんあります。
また、昼夜が逆転するので睡眠が足りず体調にも影響することが考えられます。人手不足もあるので、業務をひとりでしなくてはいけないこともあるでしょう。このようなことから、体力的にも仕事を続けられなくなる可能性があります。それを補うには、日頃から運動をして食生活を乱すことのないように食生活を改善するべきです。
他にも、職場で、自分以外に働いている人との年齢差が大きいというデメリットも考えられます。職場で、自分以外は皆、年下という可能性があります。会話があわないため、人間関係で困ることもあるかもしれません。
しかし、働く職場であるという風に割り切っていきましょう。
60代でも資格は取れるのか
60代で介護職に転職した人でも、資格は取れます。実際60代後半の方が、転職して70代で介護福祉士の資格をとったのです。資格の種類は、介護職員初任者研修、実務研修、ケアマネージャーといったものがあります。
資格をとろうと決めたならば、まず資格の変更があるか、ないかの確認が重要です。受験の際の条件が厳しくなる際は、前もってとるべきです。
パートやアルバイトで転職する場合、資格をとることによって資格手当というものを支給してくれる会社も増えてきています。資格を取得することで、介護の技術も向上するでしょう。
さらに、時給アップになるので介護業界で資格を持つことは、メリットだといえます。
このように、介護職に転職した際のポイントや注意点を述べてきましたが、やはり、介護職に60代は、求められているといえます。介護を利用する人も、介護をしてくれる人と年齢が近い方が安心して介護をしてもらうことができ、互いに理解しあえるでしょう。老後の仕事で、介護職を考えている人には、とてもおすすめです。