未経験での介護転職で知っておきたいこと10選!不安を解消 作成日:2018.04.23
最終更新日:2019.10.30
未経験から介護職に挑戦しようか考え中のそこの方。
ここでは、介護職にチャレンジする前に、予め知っておきたいことをまとめてご紹介。
就職・転職をお考えの際は、ぜひ参考にしてくださいね。
①未経験でも介護職になれるの?
介護職は専門性がある職種なので、「未経験から介護職になれるのか」と不安な方も多いと思います。結論からいうと、未経験でも問題なく介護職に付くことができます。
国家資格である「介護福祉士」をはじめ、多くの資格がある介護職。未経験からだとハードルが高く感じるかも知れません。
しかし、超高齢化社会が加速している中で、介護職のニーズはどんどん高くなってきています。
無資格・未経験の介護職の募集も積極的に行われているので、安心してください。
無資格でも働くことが可能!
介護職は無資格でも介護施設で働くことができます。介護の勉強もしたことがない……という方でも大丈夫です。
無資格・未経験の場合、施設の中で掃除・片付け・洗濯・食事、入浴介助などを行うことができます。このような基本的な生活の援助は、資格に関係なくできる仕事だからです。
資格が必要なのは、訪問介護と医療行為に限られます。
高待遇を狙うなら資格取得がおすすめ
高待遇を狙っていくのであれば、資格を取得することをおすすめします。
給与アップはもちろんですが、介護の場合は、資格をとることで他の資格を取ることができるようになる例も多くあります。着々にキャリアアップしていくためには、資格は必須と言っても間違いではありません。
②介護業界ってどんな業界なの?過去と今、未来まで
介護職になるまえに、介護業界の簡単な歴史を知っておきましょう。
働く業界の過去から今を知ることは、未来の予測にも役立ちます。今後働く上で、さまざまな判断を助ける知識になりますよ。
介護業界はいつからあるの?業界の成熟度
介護業界はまだまだ新しい業界です。
介護業界の根幹になる、「介護保険」。介護保険は2000年に開始しました。
介護保険ができてから、一気に規模が拡大したのが介護業界です。
そこから、利益や効率化、サービスの質などが業界で考えられるようになっていきました。
医療保険と60年以上の歴史の長さの違いがある
介護保険が始まった2000年から、まだ20年程度しか経っていません。
1961年にできた医療保険がもう80年以上の歴史があるのに対し、まだまだ出来て時間が短いのです。
介護業界の市場規模は年々拡大!13年間で2.6倍に
介護業界はできてから、右肩上がりに拡大を続けています。
介護保険の総費用(事務コストや人件費などは含まない)は、どんどん増加しているのです。介護保険ができた2000年の費用が3.6兆円。その13年度は9.4兆円まで拡大しています!
13年間で2.6倍にまでなっているなんて、急成長している業界ですよね。
人材不足という認識と景気の悪化で多くの未経験者が介護市場へ
「新しい産業の介護業界は人材不足である」という認識と、景気の悪化が相まって、多くの未経験者が介護市場へ流出しました。
リーマンショックが2007年~2008年のこと。ちょうど介護業界が拡大する真っ只中で起こったのです。
「リーマンショックで不景気だけど、介護業界なら働くことができるはず」と多くのひとが介護をはじめました。
安易に介護を始めた人がどんどんやめていくことに
リーマンショックと、介護業界の煽りを受け、介護業界にどんどん人が流れ込みました。
その結果、定着率が悪化しました。なぜかというと、介護業界のこともよく知らない人たちが介護を初めてしまうことで、ギャップでやめてしまうということが激増したのです。
「仕事がきつい」「給料が安い」などの理由で、どんどん人が流出していきました。
介護業界はまだまだ発展途上の業界!今後も変動していく
介護業界はまだまだ新しい業界です。どんどん変革を続けていて、政府も人材の定着に動き出しています。
2017年には月額1万円の改善が行われましたし、2019年に10年勤続した介護福祉士の給料を8万円アップするという法案が決まっています。
現状だけでも、給与面などは改善傾向です。
これにより、入職率、定着率の向上ができれば、現場の職員の質も上がっていきます。そして、現場の負担も減っていき、どんどん入職・定着率が上がる……という正のスパイラルに入ることができます。
③介護職の仕事内容ってどんな感じなの?
介護職の仕事内容は助けが必要な人の生活をサポートすることです。
対象は、体力の落ちた高齢者、障害を持つ方などです。
職場は利用者の自宅、または施設となります。また、職種によっては、目が見えない人の移動を助ける為に、道や交通機関なども仕事場になることもあります。
キャリアアップはできる?給与アップや仕事の変化
介護職には多くの資格があり、取得することによって「資格手当」というものが付きます。
資格は、給料アップに繋がります。
キャリアアップとしては、介護のサービスの責任者(サービス提供責任者)になったり、介護のプランを立てるケアマネになったりなどできます。
現場の責任者や現場から離れる立場になることも可能ということですね。
④介護の働き方はさまざま!どの雇用形態で働くか考えておこう
いろいろな業界に働き方は多様ですが、人材不足の介護職は、非正規雇用の求人も多くでています。
正規・非正規のどちらにもメリットが有り、自分の生活にあった働き方を選び取ることがとっても重要です・
働き方1:正社員
介護職の場合、無資格・未経験でも正社員としての募集は数多くあります。
月給にして17~20万円程度からスタートする場合がほとんど。だいたいはシフトでの勤務です。
昇給やボーナス、退職金、各種手当てなどは事業所によって大きく変わります。正社員の場合、社会保険が完備されています。
現場のスタッフから、能力に応じてリーダーになったり、施設長、本部での業務などにキャリアアップ・キャリアチェンジができます。
働き方2:契約社員
契約社員は、一定期間で契約の更新が行われる雇用形態です。
契約期間は最長で5年。5年以上になると、働く側の申し込みで無期労働契約に変更ができるようになります。
契約期間が満了し、次の更新がなかった場合には、転職の必要がでてきます。いろいろな施設で経験を積みたい場合には良い働き方です。
長く同じところで勤めたいという場合は正社員での雇用がいいでしょう。
契約社員の場合は、ずっと働いてくれるわけではないので、施設からしたら教育コストもかけられません。そのため、即戦力が求められることもあります。経験者や有資格者の募集だけの場合もあるので、確認するようにしましょう。
契約社員にも常勤と非常勤がある
契約社員には、「常勤」と「非常勤」があります。
常勤は月給、非常勤の場合は日給制や時給制であることが多いです。
安定性を求めるならば、常勤の契約社員。身軽さを求めるならば、「非常勤の契約社員」の方がおすすめです。
働き方3:派遣社員
介護業界でメジャーな働き方のひとつが、派遣社員です。
未経験の場合は時給1,000円程度からのスタートが多いです。派遣会社によっては1,200円~1,700円まで、高い時給を提示してくれる所も存在します。
派遣には有期雇用と無期雇用あり
派遣社員には、有期雇用と無期雇用があります。有期雇用の場合は、同じ業務で最長3年間の雇用です。無期雇用派遣では、雇用期間の制限はありません。
無期雇用の場合に5年間はたらくと、契約社員同様に働く側の申し込みで無期労働契約に変更ができます。
サービス残業などが少ないのが派遣のメリット
派遣の働き方は、派遣会社に登録して、そこから配属されるという流れです。給与やシフトなどは、働く施設ではなく、派遣会社が管理します。
つまり、施設との間に、派遣会社を挟んでの雇用ということ。第三者が介在するため、残業を強いられない、シフトの調整や給与の交渉などをスムーズに行うことができることがメリットです。
正社員になれる紹介予定派遣という制度も
正社員への登用を前提として、派遣社員として働き始める「紹介予定派遣」という働き方も存在します。
試してみてから正社員として働きたい場合には、紹介予定派遣も選択肢に入れていきましょう。
働き方4:パート・アルバイト
パート・アルバイトは、自分の都合によって、勤務時間などをある程度自由に決められるのがメリットです。
週1で1時間の勤務が可能な事業所も存在します。通常は時給制で、800~1500円程度。
経験がない場合だと、800円からのスタートになる場合が多いです。多くの場合は一定の期間での雇用契約になります。
契約社員と同様、5年を超えて働くと、働く側の要望で無期雇用契約に変更することができます。
すぐに辞める人もいれば、10年以上の長期に渡って働く人もいる働き方です。
⑤応募先の探し方のポイントを知ろう
やはり未経験だと、「どんな求人ならよくて、どんな求人ならダメなのかわからない」という方も多くいらっしゃると思います。
そんな時役立つ、「応募施設を探す基準」を紹介します!
働くならホワイトな優良施設!選ぶポイントは?
優良な事業者を選ぶポイントとしては、以下の5点です。
- その施設のこだわり・個性がわかること
「利用者に誰よりも寄り添った家族目線のサービスを徹底」「介護施設を地域作りの拠点にし、地域の人が集まるような施設」など、こだわりがある施設を選びましょう。
- 未来のビジョンが明確なこと
10年後などの未来に、どんな姿を目指すか決まっているかも大切な基準です。例えば、「地域と助け合い、10年後には虐待0の世の中の実現」などだとわかりやすいですね。
- 改善する為の変化や挑戦に積極的
現場の労働環境や、施設の設備、制度などの変更・変革に積極的な施設を選ぶようにしましょう。具体的にどんな改革に取り組んでいるかもしっかりと確かめておくと良いですね。変革に積極的な環境は、スタッフの意見を取り入れようという姿勢をもっています。
- 理念や方針にあった行動を実現している
「明るい施設を目指す」などの施設の理念がある場合「挨拶を欠かさない」などの分かりやすい行動指針がしっかりとあるか、などを見てみましょう。方針とあっていない行動指針が立てられている場合、理念自体があまり大事にされていない場合があります。
- 人材育成に力を入れている
研修制度があったり、OJTなどのシステム・期間がちゃんと決まっているかを確認しましょう。一般学生を積極的に採用している事業者の場合、研修制度が整っている場合が多いです。
転職サポートを利用すれば、事業者の評判なども聞くことができます。
転職を考えるならぜひ利用してください。無料ですし、登録して損はありません。具体的なサイトは以下で紹介しています。
⑥介護の求人を探す方法は?
介護の求人を探す方法は何個かあります。
新聞やハローワークはもちろんのこと、転職サイトなども数多くあります。
転職サイト・エージェント
一番手っ取り早く、確実な方法としては転職サイトやエージェントで、コンサルタントに相談して、転職先を見つける方法です。
その道のプロが求人を紹介してくれるため、ハローワークよりも確実性が高く、プロの意見を聞くことができます。
ハローワーク
ハローワークの場合、公的施設から民間企業経営の施設まで情報があります。
近くに拠点があるので、気軽に相談にいけるのもいいですね。とはいえ、介護転職サイト・エージェントとはちがい、登録された企業を紹介するだけなので、企業の詳しい内部情報まではわからないのがデメリット。
また、介護専門の担当者もいません。転職サイト・エージェントの場合、介護専門の担当者がいるので、具体的な対策やアドバイスを貰えます。
新聞
新聞の求人欄や折込チラシにも求人が掲載されています。
地域に密着した情報が多いのが特徴でしょう。医療法人民間法人の施設求人が多く載せられています。
毎日新聞に目を通すような習慣がある人であれば、日常のなかで情報を集めることができるのがメリットですね。
デメリットとしては、企業側の都合のいい情報しか得られないということ。当然ですが、企業が自分で広告を打っているので、悪い情報は流れてきません。
求人の情報誌
情報誌や求人を紹介しているサイトも多くあります。
おすすめの求人サイトは以下です。
- カイゴジョブ
紹介している求人数が多く、たくさんの中から自分で比べたいという方におすすめ
また、駅などで配られるタウンワークなどにも多くの求人が載っています。
気軽に見られることがメリットです。
一方で、介護に限っているわけではないのと、やはり企業の都合のいい情報しか手に入らないのが難点です。
カイゴジョブの場合は、気になることはカイゴジョブの担当者に聞くこともできるので、その点安心して利用できます。
⑦40代、50代でも介護職になれる?
「今の仕事が潮時かも……」「子供の手が離れたから……」そんな風に40~50代で介護職を志す方も結構多くいらっしゃいます。
専門職だし、年齢が上がってきてしまうと厳しいのかな、と思いますよね。しかし、厚生労働省の調査では、「介護施設で働く介護職員の40代の割合は20%以上」また、「50代の介護職員もほぼ20%」となっています。
【施設で働く介護職員】
年代 | 割合 |
---|---|
20歳未満 | 1.2% |
20代 | 19.0% |
30代 | 24.0% |
40代 | 22.4% |
50代 | 19.7% |
60歳以上 | 12.0% |
20代~50代に掛けて、割合は20%前後と、そこまで変わらないことがわかっています。
施設だけでなく、訪問介護職員の割合も見てみましょう。
【訪問の介護職員】
年代 | 割合 |
---|---|
20歳未満 | 0.2% |
20代 | 4.4% |
30代 | 11.5% |
40代 | 22.9% |
50代 | 27.5% |
60歳以上 | 31.6% |
なんと、訪問介護で働く場合は、60歳以上が一番多いという結果にもなっています。
とはいえ、訪問介護の場合は資格が必須なこともあり、未経験からなるのは難しいかもしれません。しかし、施設で経験を積みながら介護資格を取得していき、最終的には訪問介護で働くことも可能です。そうなると、将来的に長く働くことができます。
中途採用者が84.7%!ほとんどが中途なので馴染みやすい
なんと、介護職の中での中途採用の割合は84.7%!新卒の割合が6.8%です。
中途よりも新卒を中心に雇用している会社も世の中には多くあります。そんな中で、介護職の場合は中途がほとんど。中途社員がある意味当然で、中途で働きやすいような環境が整っています。
40代・50代も安心して就業できるのが、介護職です。
⑧介護職ってきついイメージがあって心配
介護の仕事は「きつい」「汚い」「危険」の3Kだなんて聞くけど……。
こんな声をよく聞きます。その上、最近は「給料が安い」を加えて「4K」なんて言われることも。
実際、以下のようなことで「3K」と言われています。
- 「きつい」
…生活が不規則になりやすい夜勤がある点
…重度介護者受け入れている施設がある
- 「汚い」
…高齢者の排泄関連の仕事があること
…食事介助の時によだれが止まらない人、たべこぼしがある人がいる
- 「危険」
…抵抗力が低い高齢者・障がい者のいる施設はノロウィルスやインフルエンザ等、集団感染が発生しやすくなる
…人間の体を持ち上げるので、腰を痛める・転倒・転落などのリスクがある
- 「給料が安い」
…介護職の平均月収=21万5,200円。全産業平均よりマイナス9万
実際に、3K、4Kと言われるだけのことはありそうに見えますね。
「介護職は割に合わない」ということはない
世間では、介護職の環境の悪さなどを外から見て、「割に合わない仕事だ」などと言われます。
しかし、介護職の中には、「どんな仕事でも体験できない幸せな時間を過ごしたことがある」という人が数多くいます。
利用者に「ずっと夢だったピアノを教えてほしい」と言われ、毎日練習に付き合った。クリスマス会で発表することになり、100人の前で演奏。その結果、特にミスもなく見事な演奏だった。その女性は「人生の最後で夢がかなった」と感激し、涙を流していた。
ここまでのエピソードはめったにありませんが、実際に体験している人がいるのも事実です。
もちろん介護職が「全く辛くない仕事」かというと、そうだとは言えません。しかし、「割に合わない仕事」という世間の認識は間違いだといえます。
自分の生活に合わせた働き方もできる
介護職はつらそう、というイメージがあるかもしれませんが、働き先の施設形態・雇用形態は自分で選ぶことができます。
勤務時間を気にするのであれば、夜勤がない「デイサービス」や「デイケア」の職場を探してみると良いでしょう。
また、身体介護に苦手意識があるのであれば、比較的軽度の介護度の利用者対象の施設を選ぶこともできます。
例えば、養護老人ホーム・ケアハウス・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などがありますよ。
給与は上がってきている!
また心配である「薄給」の部分ですが、介護職の給料は年々アップしています!
例えば、10年以上勤務している介護福祉士の給料が2018年から8万円アップになります。また、介護職全体の給料も、国の加算でアップしてきています。また、資格取得などで給料アップも望めます。
未経験から介護職になるには
人材不足な介護業界。
未経験から介護職になるのは難しいことではありません。
しかし、一番困るのは、介護職になった後にギャップに悩まされてしまうことですよね。
そんな事にならないように、自分の中で「どうして介護職になりたいのか」という部分をしっかりとまとめておく必要があります。
「自分で選んだんだ」という気持ちがあれば、ある程度のギャップは気にならないでしょう。
だんだん給与などの条件が上がってきている介護職。なるなら今がおすすめですよ。