ガイドヘルパーとは?移動支援・行動援護・同行援護の違いは何? 作成日:2017.09.05
最終更新日:2019.10.29
「ガイドヘルパー」「移動支援」「行動援護」「同行援護」……。
ガイドヘルパーの仕事に関して調べると、このような言葉がたくさん出てきます。
これらの言葉は似通っていてなんだかわかりづらいもの。「ガイドヘルパーにもいろいろ種類があるみたいで、なにがなんだかよくわからないなぁ」とお思いのそこのあなた!
今回はそんなガイドヘルパーの用語がこんがらがっちゃっているあなたに、わかりやすく各用語をご説明します!今までごちゃごちゃしていたものがはっきりとわかりますよ。
ガイドヘルパーに関してちょっと整理したいなという方もぜひぜひ読んでみてくださいね。
そもそもガイドヘルパーとはなに?他の名称との違い
そもそも「ガイドヘルパー」とは「移動介護従事者」の別名です。正式名称は「移動介護従事者」です。つまり、移動介護従事者とガイドヘルパーは全く同じ意味となります。
「ガイドヘルパー」人々の移動のサポートや介助を行う職業です。対象となる人は、さまざまな障害などで、一人で移動するのが困難な人です。
ガイドヘルパーは「職業名」なのに対し、移動支援、行動援護、同行援護は「サービス名」となります。
ガイドヘルパーの資格について
障害者の移動を支援するために必ずガイドヘルパーの資格が必要というわけではありません。
知的障害者の場合は、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級以上)の資格を持っていれば、ガイドヘルパーの資格を持っていなくても移動支援にあたることができます。
しかし、ガイドヘルパーの資格は比較的短期間での取得が可能です。
ガイドヘルパーの資格取得によって、支援の幅も格段に広がり、スキルアップが見込めるので、介護従事者にとっては取得しておいて損がない資格ですね。
ガイドヘルパーの受講資格
ガイドヘルパーの受講資格は、各都道府県によって異なっています。
中には受講資格を設けていないところもあるようですが、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)以上の資格者を対象としているところが多いようです。
介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)以上の資格を所持していると、研修の一部が免除されるという制度もあるようです。
ガイドヘルパーには3つの資格がある!
ガイドヘルパーには3つの資格があり、その資格によって対応する利用者が異なります。
「視覚障害者」「知的・精神障害者」「全身性障害者」を対象にするものがあります。
「全身性障害者」を対象にする資格が、一番専門性が高く、それに伴い給与も高い傾向にあります。
「移動支援」「同行援護」「行動援護」ってなに?
「移動支援」「同行援護」「行動援護」は、ガイドヘルパーについて調べるとよく見るワードです。
ガイドヘルパーの仕事に関しては「はっきり言ってよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ガイドヘルパーの仕事について、簡単にまとめると以下のようになります。
- 移動支援……肢体不自由者、軽度の精神・知的障害者が対象。市町村の事業。
- 同行援護……視覚障害者が対象。国の事業。
- 行動援護……重度知的障害者・精神障害者が対象。国の事業。
重度軽度については「障害支援区分」によって決められています。障害者支援区分が3以上であれば重度。2以下であれば軽度と指定しています。
一つ一つについてまとめていきますね。
移動支援
移動支援とは移動が困難な人に対してガイドヘルパーが行う外出の支援サービスです。障害者総合支援法に基づく生活支援事業のサービスとなります。
障害がある方が地域で自立した生活を送ることの支援が目的です。この移動支援は市町村の事業です。支援の対象者は市町村によって変わってきます。
障害のある方は移動が困難になり外出を控えがちです。そのために、社会生活上の必要な活動も制限されてしまいます。
移動支援では、冠婚葬祭・選挙の投票に始まり、イベントの参加・観劇、いつもの買い物や散歩まで、さまざまな移動を支援していきます。
同行援護
同行援護は移動援護と同じく、移動のための支援が行われるサービスです。視覚障害のある方が対象になっています。
視覚障害のある方は、移動のために必要な情報を得ることができません。標識や看板、電光掲示板などがわかりやすい例でしょう。
ガイドヘルパーは、移動を行う際の情報保障をする役割を担うのです。具体的には以下のようなことを行います。
- 移動中の障害物や看板等の必要情報提供
- 目的地での代筆・代読
同行援護をするためには、視覚障害者の移動・介助に特化した研修を受けることになります。
このサービスは「個人給付」という個人向け福祉サービスです。利用の際はマンツーマンでガイドヘルパーの支援が受けられるのが特徴です。
行動援護
行動援護は重度の知的障害・精神障害者を対象にしたサービスです。
自閉症の方や行動上著しい困難のある場合に、利用者の危険を回避するために行われます。
単なる移動の介助に留まらず、利用者の要望次第で仕事が変わってきます。具体的な仕事としては以下のようになります。
- 移動の介護
- 移動時生じる危険回避
- 外出前後に行われる衣服の着脱介助
- 排泄および食事などの介護
- その他障害者は行動する際に必要な援助
障害者支援区分が3以上の方が対象となります。他にも障害者支援区分の調査項目のうち、行動関連の合計点数が10点以上である方も対象になります。
行動援護も同行援護と同様、国の事業となります。
ガイドヘルパーの移動支援、同行援護、行動援護の違い
ガイドヘルパーには、「移動支援」「同行援護」「行動援護」があることがわかりました。これらの違いは、「対象者」と「国が行っているか市町村が行っているか」という部分です。
違いを詳しくまとめると、以下のようになります。
【移動支援】
他の2つと違い、移動することに障害がある方ならば利用申請を行い受給者表を貰えば誰でも利用できます。その範囲には、視覚障害者・知的障害者も含みます。そのため、他2つのガイドヘルパーの仕事を網羅している仕事とも言えます。
主には肢体不自由者、軽度の精神・知的障害者が対象となります。
また、市町村の事業のため、その地域によって対象者・サービスなどが異なるのも他の2つとの違いです。
【同行援護】
障害種別・障害支援区分によって利用ができます。視覚障害者が対象となります。
そのため、基本的には視覚情報の提供を行うのが他の2つとの違いです。仕事には代筆・代読が含まれます。国の事業なので、どの地域でも同じ基準で利用されるのは、移動支援との違いとなります。
【行動援護】
同行援護同様、障害種別・障害支援区分によって利用できます。重度知的障害者・精神障害者が対象となります。
また、国の事業となります。区分以外は基本的には同行援護と同様ですね。しかし、こちらのほうが一般的に言われる介護の仕事の割合が多くなります。
これらの違いはわかりづらいですが、把握することによって仕事上の指示や目的が理解しやすくなります。
ぜひ違いを理解して仕事に臨むようにしましょうね。
ガイドヘルパー、移動支援、行動援護、同行援護は違うもの!
ガイドヘルパーというのは移動や行動の支援を行う職業の名前でした。ガイドヘルパーの支援には、3種類あり、それぞれに「移動支援」「行動援護」「同行援護」と名前がついているんでしたね。
最後にこちらについて表にまとめました。
【ガイドヘルパーの仕事】
- | 移動支援 | 同行援護 | 行動援護 |
適用者 | 移動が困難な人全般 | 視覚障害者 | 知的・精神障害者 |
移動以外援助以外の業務 | 利用者ごと | 視覚補助 | 介護分野まで及ぶ |
事業者 | 市町村 | 国 | 国 |
わからなくなったらこの表を見て確認しましょうね!
ガイドヘルパーになるなら転職サイトなどの利用がおすすめ
今回の記事ではわかりづらいガイドヘルパーの名称系について詳しくまとめていきました。
ガイドヘルパーとして働いてみようかな?というときには、知っていたい情報です。
ガイドヘルパーに興味がある方は、転職を視野にいれてもいいでしょう。転職の際に不安なら、ガイドヘルパーの求人情報がたくさん載っている転職サイト「カイゴジョブ」などもあります。
もし興味があったら、一度求人の情報だけでも見てみてもいいかもしれませんね。
この記事がこれから働く方、介護支援を利用する方の一助になれば幸いです!